韓国の科学者800人「新空港・月城原発、政治が科学を覆い隠した」

 科学界の分野別専門家約800人を会員とする科学技術団体が「政治に科学が揺るがされている」として、政府による「金海新空港建設白紙化」や「月城原子力発電所1号機早期閉鎖手続き」を強く批判した。 ■世界競争力ランキング1位はシンガポール、韓国23位、中国は?  「正しい科学技術実現のための国民連合」(科実連、常任代表:キム・ヨンオ・ソウル大学建設環境工学部教授)は24日、「政治が科学を覆い隠す社会は未来がない」という題の声明を出し、「今の現実は、政策決定を正当化するために科学技術の結果が操作され、政治的な利害関係のために科学技術専門家の声は埋もれ、歪曲(わいきょく)されている」と主張した。2005年に作られ科実連は、進歩系・保守系を問わず、科学界の課題について声を上げてきた。2005年の「(ES細胞論文不正事件)黄禹錫(ファン・ウソク)博士は科学者や国民に謝罪せよ」という声明をはじめ、李明博(イ・ミョンバク)政権時の「韓半島(朝鮮半島)運河『検証』を先にせよ」など、これまで約70件の声明を発表してきた。

  科実連は金海新空港建設白紙化について、「非理性的・後進的扇動において、与野党を問わず政治家たちの責任が重いことを、科実連は厳重に指摘せざるを得ない」と述べた。金海新空港検証委員会は17日、「金海新空港推進は根本的な検討が必要だ」として、2016年の決定を覆した。

  科実連はまた、月城原発1号機の早期閉鎖決定については「信じがたい非科学的歪曲を発見した」「予想収益とコストの推定が社会科学と工学技術の常識の範囲を外れる可能性があるという監査院の発表が事実なら、明らかに重大な過失だ」「政治的指示に屈服した公務員たちの組織的操作の証拠発表に、我々は懸念を禁じ得ない」としている。

  科実連は「政界は今からでも科学の意思決定に立ち返るべきだ」「大型国策事業で政治が科学を覆い隠す昨今の現実は、国家的災害を予告しているだけでなく、将来の世代に取り返しのつかない荷物を負わせる無責任なことであると厳重に警告する」と明らかにした。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/25/2020112580091.html

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