【社説】「自身の違法疑惑隠そうと検察を無力化」文大統領の総力戦

 秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に対して職務排除措置を取り、懲戒を請求したことに関して、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は25日も沈黙した。文大統領はその代わり、ソーシャル・メディアに突拍子もない文章を掲載した。国民が大きな関心を持つ異例の事態が起こっているのに、大統領が遠い山を見つめて別の話をする理由は何なのか。自身は後ろに下がり、秋美愛長官を前面に出して、尹錫悦総長を辞任させようということだ。与党・共に民主党は同日、評論家のような言葉で「暴力団の集団暴行」などと尹錫悦総長を攻撃した。同党の李洛淵(イ・ナギョン)代表は「法務部が明らかにした尹錫悦総長の容疑は衝撃的だ」として国政調査を推し進めると言った。容疑だとも言えない容疑が衝撃的だという党代表の言葉の方がよっぽど衝撃的だ。事前に脚本を書いた上で動いている。

  文大統領は「積弊(前政権の弊害)」捜査を率いた尹錫悦氏を超スピード出世させて検察総長に任命し、「生きている我々の権力も顔色をうかがわずに捜査せよ」と言った。しかし、尹錫悦総長が実際にチョ国(チョ・グク)前法務部長官一家の不正など、「生きている権力」を捜査するや、状況はガラリと変わった。文大統領を「兄さん」と呼んだ柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長がわいろを受け取っても、監察を回避して昇進までしていた事実も、検察の捜査で明らかになった。文大統領の「30年来の友人」を蔚山市長にするため青瓦台が総動員された選挙工作が、検察によって明らかになったのだ。検察の控訴状には「大統領」という言葉が40回近く登場する。

  すると、文大統領は今年1月、秋美愛氏を法務部長官に任命した。秋美愛長官は就任するやいなや、政権の不正を捜査していた検事たちを「人事虐殺」で空中分解させた。捜査を受けている被疑者が、捜査をしている検事を空中分解させる国は世界のどこにもないだろう。そして政権不正捜査を中断させた後、「忠犬検事」たちを動員して逆攻勢に出た。「チャンネルA事件」がその始まりだったが、虚偽操作だと明らかになった。これが失敗すると、「韓明淑(ハン・ミョンスク)事件」「ライム・ファンド詐欺事件」で検察総長に対する捜査指揮権を行使した。全詐欺師たちの一方的な暴露を根拠にしたものだった。1カ月の間に4回も尹錫悦総長の監察調査を指示した。与党が自ら「問題ない」と言っていた尹錫悦総長の家族の事件も「特捜部」を動員して再捜査している。そうした中、今回はお話にならないこじつけの数々を理由にして職務停止にまでした。 ■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、中国100位、日本は?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/26/2020112680136.html

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