【社説】尹錫悦検事総長追放に向けた努力、その100分の1だけでも拘置所の悲劇は防げた

 ソウル東部拘置所では11月27日に最初のコロナ感染者が確認され、その後の1カ月で全収容者の30%に相当する769人が感染した。29日には最初の死者も出た。「助けてください」と書かれた紙を鉄格子の間から外に出すその手をみていると、まさに「人権蹂躙(じゅうりん)の悲劇的な現場」としか言いようがない。

  拘置所や教導所(刑務所)では感染対策があまりにもずさんだ。しかも東部拘置所の場合、マンション式の閉鎖型、廊下型の構造となっているため、本来なら一層厳格な感染対策が必要だ。ところが東部拘置所は最初の感染者が確認される前まで、収容者にはマスクさえ支給しなかったという。今月5日に2人目の感染が確認され、集団感染に拡大する兆しが見え始めた時点から非常警戒体制で臨むべきだった。しかし拘置所側は特別な対応は取らず放置し、18日になってやっと収容者全員に検査を行った。この期間にウイルスは手に負えないほど広がってしまったのだ。ウイルスの潜伏期間から考えると、感染者は今後もさらに出てくるだろう。

  東部拘置所を所管するのは法務部(省に相当)だ。秋美愛(チュ・ミエ)長官は「尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長排除」に没頭し、自らの責務である矯正施設の管理には一切神経を使わなかった。秋長官は11月24日に尹総長の職務排除および懲戒請求を行い、今月16日には停職の議決まで行ったが、拘置所からウイルスが広がった時期はこの期間と完全に一致する。その間に法務部では1日も休むことなく尹総長対策会議が開かれたことだろう。法務部にとって拘置所での集団感染など眼中にもなかったはずだ。長官が自らの職務を放棄したのであれば、せめて次官だけでも気を引き締めるべきだったが、法務部の李容九(イ・ヨング)次官も青瓦台(韓国大統領府)が尹総長懲戒委員会の頭数をそろえるため、今月2日に急きょ投入された人物だ。李次官も尹総長排除のことしか頭の中になかったはずだ。 ■「新型コロナ対応、政府はよくやっている」デンマーク1位、韓国6位…日本は?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/12/30/2020123080006.html

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