【社説】文大統領「一日1千人の確定患者、最高だという自負持ってほしい」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、青瓦台(韓国大統領府)の首席・補佐官会議で「われわれが一日平均1000人台の確定患者を記録している間、米国は一日平均23万人、英国は3万3000人、ドイツは2万5000人、日本は2800人を記録した。最高だという自負を持ってほしい」と発言した。また「ワクチンを十分に確保できなかったり接種が遅れたりするという懸念は事実ではない。十分な量を確保した」とも語った。 ■コロナ禍の世界で安全な国3位に韓国、1位は?  文大統領の事実認識を懸念せずにはいられない。11月上旬の時点でも、一日の新規患者数は100人前後を維持していた。これが11月25日に500人台へ上昇し、最近は1000人前後で上下している。このところ複数の療養施設で連日集団感染が起きている。163人が感染し、37人が死亡した施設もある。ソウル東部拘置所では540人を超える確定患者が出て衝撃を与えた。ところが大統領は「1000人の確定患者は相対的にうまく対応した結果」と誇っているのだ。

  コロナ問題初期の時点で韓国と並んで防疫模範国に挙げられていた台湾は、現在も確定患者数785人、死者はわずか7人だ。韓国政府はなぜ、台湾のような防疫先進国と自らを比べてもっと発奮する考えを持たず、防疫落第国より韓国の方がまし、と強調するのか。

  大統領は「十分なワクチンを確保した」と言う。しかしブルームバーグが集計した今月23日現在の人口比ワクチン確保量は、OECD(経済協力開発機構)加盟37カ国中34位にすぎない。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長はこの日、「アストラゼネカやヤンセンといった場合、許可関連の事項が残っており、供給の際も生産量や流通に問題が生じるなど、ワクチンに関しては不確実性が相当数ある」と語った。加えて、英国で発生した変異ウイルスが韓国国内に入ってきている。ワクチンがどの程度効果を発揮するか確信はできない。こうした不確実性があるから、他の国々は数種類のワクチンを人口の200%、500%まで確保しておいているのだ。にもかかわらず、文大統領は「十分に持っているから心配するな」という。大統領の状況認識が変わらなければ、韓国国民は大きな危機に陥るかもしれない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/12/29/2020122980039.html

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