【社説】抗議もできず後回しにされた療養病院、「死ねば出られる」反人倫的な現場

 新型コロナウイルスの新規感染者が連日1000人以上を記録し、患者や医療従事者など職員全体を集団隔離(cohort isolation)する療養病院(日本の介護療養型医療施設のような高齢者向け病院)が増えていることから、適切な治療を受けられずに死亡する事例も急増している。京畿道富川市の療養病院では11日以降、155人の感染者と39人の死亡者が出た。死亡者が急増したのは、患者のほとんどが高齢であり、基礎疾患を抱えている上、重篤者・重症者を専門病院に移送するのが遅れたためだ。「死ななければ出られない」という絶叫が聞こえてくるほどの状況だ。ソウル市九老区の療養病院も累計感染者が190人に達した。このように、最近集団感染が発生し、集団隔離などが行われている療養病院は17カ所になる。21世紀の大韓民国でこのような事態になっているのは衝撃的だ。 ■「新型コロナに対する不安」韓国が世界14カ国で1位  新型コロナ感染者を治療するには陰圧室と人工呼吸器が不可欠であり、重症者のケアをする医療従事者も必要だ。ところが、療養病院は新型コロナ感染者を治療できる施設や医療従事者がいない所だ。その療養病院を当局が丸ごと封鎖し、重篤者・重症者の搬送まで遅れているのは、「死んでも仕方ない」ということだ。職務放棄を超えて犯罪に近い。

  当局は今、一般人感染者を療養病院感染者よりも優先順位で上の方になっているという。一般人感染者は外部に抗議するので当局の間違いが明らかになるが、外部と遮断されている上、高齢者だけの療養病院はそうしたことがなく、優先順位の下の方になっているというのだ。新型コロナのハイリスク群である療養病院の患者をこのように放置するのは反人倫的だ。

  このようなことが起こる根本的な原因は、保健当局が十分な病床を確保していないからだ。専門家らは、現在の状況が「医療崩壊寸前」だと言っている。新型コロナ問題が発生して1年近くたち、「療養病院の集団感染に備えるべきだ」という指摘も何度となくあった。K防疫を自慢するくらい、実際に防疫に専念していたなら、このような病床不足はなかっただろう。療養病院の感染予防はもちろん、事後管理にも失敗しているのだ。保健当局は今からでも療養病院で発生した重篤者・重症者がきちんとした治療を受けられるよう支援することを最優先課題としなければならない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/12/31/2020123180058.html

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