【コラム】「Kおいしいとこ取り」はもうその辺で

 中継ぎ投手は麻酔科医に似ている。重要だが、あまり記憶に残らない。

  KTウィズで7年間にわたって中継ぎ投手を務めるチュ・グォン(26)のニックネームは「トグォン(ト・チュ・グォン、「またチュ・グォン」の意)」だ。「また起用されて大丈夫か」という野球ファンのため息が込められている。KT設立初期からのメンバーであるチュ・グォンは、昨シーズン(144試合)の半数を超える77試合に登板し、31ホールド(防御率2.70)をマーク。「ホールド王」となった。KTのイ・ガンチョル監督は「必勝組であるとともに追撃組のピッチャー」とし、勝っても負けてもマウンドに送った。投手の肩は一度すり減ったら終わりだが、監督はまるで磨耗のないタイヤのようにチュ・グォンを扱った。KTは、チュ・グォンが1、2点差の緊迫したゲームを守り抜いて勝利を集め、レギュラシーズン初の2位に輝いた。斗山とのプレーオフでは第1試合から第4試合でもマウンドに上がった。

  自他共に認めるKTのナンバーワン投手のチュ・グォンは、今冬の年俸交渉に自信を持って挑んだ。昨年1億5000万ウォン(約1400万円)だったチュ・グォンは、2億5000万ウォン(約2340万円)を求めた。度重なる登板で累積した疲れ、走者ありの場面で起用される負担、中継ぎの献身はあまり注目されないなどの逆境を乗り越えた中での成果であるため、それぐらいもらう資格はあると確信していた。しかし、球団側は「コンピューターで算定した結果」として2億2000万ウォン(約2060万円)とした。3000万ウォン(約280万円)の壁はついに狭まらなかった。汗の代価をきちんと補償されたかったチュ・グォンは、数日前ついに「5%の戦い」を選択した。KBO(韓国野球委員会)に年俸調停を申請したのだ。これまでKBOの年俸調停で選手が勝ったケースは20回のうちたったの1回(2002年のLGリュ・ジヒョン)だけ。11年前に打撃7冠王に輝いた李大浩(イ・デホ)も当時ロッテとの「7000万ウォン(約650万円)」の調停争いで負けている。 ■韓国人が好きな野球選手1位は?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/01/29/2021012980084.html

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