【社説】SNSで政府批判した芸能人の番組降板、これが民主国家なのか

 歌手JKキム・ドンウク氏がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に政府批判文を掲載したところ、UBC蔚山放送で10年にわたり司会を務めていた音楽番組を降ろされた。視聴者に別れのあいさつもできなかったという。同氏は2019年のチョ国(チョ・グク)前法務部長官問題以降、SNSに政府を批判する文を数回掲載した。「チョ・グクよ、もう謝罪しろ」と書いたほか、昨年のマスク不足時は「マスクがなくて並んでいるのに、中国にマスクを輸出した? こんなことがあるだろうか」とも書いた。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子の兵役特恵疑惑では「Chooハダ、Chooヘ」(秋美愛長官の姓のアルファベット表記「Choo」+「する」という意味の韓国語「ハダ」「へ」と、「醜い」という韓国語「チュハダ」「チュヘ」を掛けた言葉)と書き込んだ。そのたびに同氏のSNSには親文(親・文在寅〈ムン・ジェイン〉大統領)系ネットユーザーからアンチコメント攻めに遭った。 ■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、中国100位、日本は?  JKキム・ドンウク氏は番組ではなく、SNSの個人アカウントで政府批判をした。暴言もなかった。それでも親文系の人々は取りざたし、放送局は同氏を追い出した。政権の顔色をうかがった措置だと気づかない国民はいない。歌手カン・ウォンレ氏が先日、自営で店をしている人々の懇談会で、「韓国の防疫は世界最下位」と言ったところ、親文系の人々から激しい攻撃を受けて謝罪した。カン・ウォンレ氏は新型コロナウイルス感染症流行で飲食店の経営をやめた被害の当事者だった。ほかにも、政府の防疫政策を昨年批判して「お前も新天地(韓国で最初に集団感染が発生した宗教団体・新天地イエス教証しの幕屋聖殿)か」と集団攻撃に遭い、苦しめられた芸能人がいる。

  その一方で、金於俊(キム・オジュン)氏やチュ・ジヌ氏といった親文系の人々は番組で特別待遇を受けている。金於俊氏はTBS交通放送で政治偏向発言や暴言を繰り返しても、1回当たり100万ウォン(約9万4000円)という最高クラスの出演料をもらっている。放送審議委員会は軽い懲戒処分を下し、政府・公共機関は広告を次々と出してやっている。前政権のブラックリストやホワイトリストと何が違うのか。個人のSNSで言うことも言えないのに、民主国家だと言えるだろうか。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/01/28/2021012880069.html

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