【独自】裁判所「新古里原発、福島・チェルノブイリとは異なる…事故対策は十分」

 ソウル行政裁がこのほど、2011年に津波被害で事故が起きた福島原子力発電所と韓国の新古里原子力発電所では構造が根本的に異なり、新古里原発の事故に備えた設計は十分だったと判断していたことが25日までに分かった。これまで韓国の政府・与党は「脱原発」政策の実行過程で福島原発の事故をしばしば取り上げ、韓国国内の原発の安全性を問題視してきたが、裁判所が逆の判断を下した格好だ。 ■コロナ禍の世界で安全な国3位に韓国、1位は?  ソウル行政裁は今月18日、脱原発団体「脱核蔚山市民共同行動」が原子力安全委員会を相手取り、新古里原発4号機の稼働許可取り消しを求めた行政訴訟で原告敗訴の判決を言い渡した。

  本紙が入手した判決によると、ソウル行政裁は新古里原発について、福島原発よりも安全性の水準が高く、両原発を単純には比較できないと判断した。ソウル行政裁は「福島原発の事故に伴う放射性物質による被ばく事例が新古里原発4号機でも同様に起きる可能性があると認定するのは難しい」とした上で、「新古里原発の原子炉モデル、格納施設の大きさ、安全設備などは福島原発と同じではない」と指摘した。比較が困難なほど新古里原発4号機のほうが安全だという意味だ。そうした点とさまざまな安全審査に手続き上の瑕疵(かし)がない点を根拠として、ソウル行政裁は2019年に完成した新古里原発4号機に原子力安全委が下した稼働許可には問題がないとする結論を下した。

  環境団体のグリーンピースが原子力安全委を相手取り起こした新古里原発5・6号機の建設許可取り消し訴訟でも最近、裁判所は同様の判断を下した。グリーンピースは「旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の際、700キロメートル離れた地域も放射能に汚染された」とし、韓国の原発から遠く離れた住民も原発の稼働中断を求める訴訟を起こす資格があると主張した。

  しかし、ソウル高裁は先月、「チェルノブイリ原発は事故発生時、放射性物質を閉じ込めておく格納施設がなく、福島原発は格納施設の大きさが新古里原発の10分の1だった」と指摘した。新古里原発ははるかに安全だという趣旨だった。その上で、「新古里原発5・6号機は重大事故に備えた設計を十分に整えている」とし、建設許可を維持する判決を下した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/26/2021022680106.html

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