「大韓民国樹立」を「政府樹立」に…教科書無断修正の教育部職員に懲役刑

 前政権のときに執筆された社会科の国定教科書を、現政権に入って不法な形で修正に関与した教育部(省に相当)の職員に対し、法院(裁判所)が有罪と認定し、執行猶予付きの懲役刑を下した。

  大田地裁(刑事5単独、パク・ジュンボム判事)は25日、職権乱用・権利行使妨害・私文書偽造教唆(きょうさ)・偽造私文書行使教唆の罪で起訴された教育部の元課長級職員に対し、懲役8月、執行猶予2年を言い渡した。

  この職員は、2016年に執筆され、18年度の1学期に使われた小学校6年生の社会の教科書で、1948年8月15日に関する表現を「大韓民国樹立」から「大韓民国政府樹立」に変更するなど213か所を修正し、執筆者の同意を得ずに教科書を書き換えた。

  この過程で職員は、下級職員に指示し、編纂(へんさん)委員会の協議録に編纂委員長の印鑑を押させたことが分かった。当時、執筆責任者だった晋州教育大学のパク・ヨンジョ教授が教科書の修正を拒否したからだ。職員はパク教授を教科書執筆の作業から排除し、他の教授や教師を修正作業に参加させた。

  問題の教科書では「北朝鮮は依然として韓半島の平和と安全保障を脅かしている」と言う文章が削除された。朴正煕(パク・チョンヒ)政権に対する記述も、従来の「維新体制」「維新憲法に則った統治」から「維新独裁」に変更した。

  パク判事は「大韓民国樹立を政府樹立と変更してほしいという電話要請を1回拒否したという理由だけで、編纂委員長を完全に意思決定から排除した」と指摘した。

  職員はこれに先立ち、社会の教科書の内容を修正するために、関連の民願を虚偽で提起するよう同僚に要求した。実際に当時、職員の要求通り、青瓦台(韓国大統領府)の国民陳情・提案窓口には、1948年の「大韓民国樹立」を「大韓民国政府樹立」に変更するよう求める民願が提起されていた。

  パク判事は「職員は別の職員に対し、大韓民国政府樹立と文言を変更すべきという趣旨の虚偽の民願を提起させた」として「被告は未来時代の教育を担う教育部で重要な事務を担当しているときに、このような犯行を働いた」と指摘した。

  裁判所は、教育部に派遣されて被告の職員と共に教科書修正に加担した地方教育庁(教育委員会に相当)所属の教育研究士にも懲役6月(執行猶予2年)を言い渡した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/25/2021022580272.html

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