痩せた金正恩氏に北住民「おやつれになったお姿に自然と涙」

　一時は体重が140キロはあったとされる北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が、先日かなり痩せた姿で登場したことを受け、北朝鮮メディアは金正恩氏の「おやつれになったお姿」を心配する住民へのインタビューを放映した。北朝鮮当局が外部で広がる金正恩氏の減量説を正式に認めた形だ。 ■「2021年世界の軍事力ランキング」米国1位、韓国6位、北朝鮮は？ 　朝鮮中央テレビは先日、国務委員会演奏団の公演を鑑賞したある住民が「敬愛する総秘書同志のおやつれになったお姿を見た時、人民は最も胸を痛めた」とするインタビューの様子を今月25日に伝えた。この住民は「誰もが自然と涙を流している」とも語った。

  金正恩氏は今月15－18日に党中央委員会全員会議を主催した際、わずか1カ月で再び公の場に姿を現したにもかかわらず、その姿は誰が見ても非常に痩せていた。顎が以前よりもはっきりと見え、手首の時計のバンドを前よりも細く締めている様子も確認された。そのため「健康上の問題で手術を受け体重が減少した」「健康のためにダイエット中」などさまざまな見方が浮上している。ただし韓国統一部（省に相当）は「金正恩氏の健康状態に問題が生じた」とは判断していないようだ。

  北朝鮮メディアが金正恩氏の健康状態に言及するのは今回が初めてではない。2014年に金正恩氏が足首の手術で40日以上にわたり姿を見せなかったときも、朝鮮中央テレビは記録映画で金正恩氏の「不自由な体」に言及した。ただし昨年、金正恩氏がステント手術を受けたとの見方が浮上した際、北朝鮮メディアはその健康状態について特に言及はしなかった。

  身長が170センチの金正恩氏は高度肥満の影響でさまざまな成人病の症状が出ていたと伝えられている。金正恩氏は飲酒と喫煙を楽しむことから、平壌を訪問した韓国や米国の政府関係者などに妻の李雪主（リ・ソルジュ）氏が「夫の健康状態が心配」と語ることもあったという。金正恩氏の痩せた姿もこのような流れから外部で関心を集めている。ある消息筋は「北朝鮮で食糧難が厳しくなる中、『金正恩氏は困難な状況を克服するため食事も満足に取れず努力している』と宣伝する意図もありそうだ」との見方を示した。英国ロンドン大学の衛生熱帯医学研究所は2012年、北朝鮮成人の平均体重を52.6キロと推定した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/06/28/2021062880027.html