【コラム】変節ではなく自決を選んだ蘋果日報

 筆者が2007年に中国・北京大学に留学した時、毎週木曜日の朝になると校内の新聞スタンドに走った。ちょっとでも遅れれば、「南方周末」が売り切れてしまうからだった。中国・広東省で発行されている週刊紙「南方周末」は当時、北京の学生の間で最も人気のある新聞だった。政府を批判する社説をはばかることなく掲載し、政府機関の不正や社会の不条理を暴露してきたためだ。広東省党機関紙という「ルーツ」の限界を克服し、聖域なき報道で一貫している週刊紙を、中国の若者たちは「中国の言論の自由の希望」だと言って熱狂した。オバマ米大統領は2009年の訪中時、国営放送局である中国中央テレビのインタビューを拒否し、南方周末との単独インタビューに応じた。

  しかし、10年後、北京の街頭で見かけた南方周末はかつての栄光を失い、スタンドの片隅に置かれていた。毎週木曜日を心待ちにしていた大学生たちは消え、西側メディアは南方周末のことを「かつて中国で最も人気のあった新聞」と説明した。習近平政権が発足して以降、言論統制が激しくなり、報道の制約が大きくなったのだ。

  同紙の記者たちの抵抗がなかったわけではない。2013年1月、政治権力の分散を主張した南方周末の新年号の社説を検閲当局が強制的に差し替えて発行すると、怒った記者たちは職をかけてストライキに踏み切った。だが、ストライキは悲劇に終わった。多くの記者が懲戒処分で離職し、編集局長は交代した。その後、南方周末はほかの中国メディアのように政府の顔色をうかがって記事を量産するだけの新聞になることを選んだ。昨年は中国政府が官営メディアの報道関係者を対象とする共産党忠誠心テストを内部で実施している。 ■世界報道自由度ランキング韓国42位、中国177位、日本は?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/06/25/2021062580051.html

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