北は拒否しているのに…韓国統一部、民間の対北支援事業に100億ウォン支援へ

 韓国政府が24日、北朝鮮人道支援事業に最大100億ウォン(約9億4000万円)を支援することを決めた。北朝鮮が韓国全域を攻撃できる新型長距離巡航ミサイルを今月11日と12日に連続発射した上、15日には列車から発射した弾道ミサイルで武力アピールをしてから9日目のことだ。この決定に先立つ21日(現地時間)には、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会演説で(6・25戦争=朝鮮戦争の)終戦宣言を提案するなど、政府は文大統領任期末の「南北イベント」を念頭に総力を挙げようというムードだ。

  韓国統一部は24日、南北交流協力推進協議会を開き、韓国国内の民間団体が推進している対北朝鮮栄養・保健協力事業に1件当たり5億ウォン(約4700万円)、計100億ウォン(約9億4000万円)の南北協力基金を支援する案件を議決したと発表した。北朝鮮の子どもや女性、障害者、高齢者などを対象に、栄養・保健事業を推進する対北朝鮮支援事業者が支援対象だ。物資購入や輸送費用を含め、事業推進にかかる全費用を支援する。これまでの多くの支援が政府と団体で費用分担を5対5とする「マッチング・ファンド」方式だったことを考えると異例だ。

  統一部の李仁栄(イ・インヨン)長官は同協議会での冒頭発言で、「新型コロナによる封鎖が長期化し、北朝鮮内部で食料や医療品などの不足が徐々に深刻化していると言われている」「100億ウォン規模の資金援助を通じて、我々の温情が北朝鮮の住民に伝わり、彼らの生活がより安全になって南北間の信頼が増進し、韓半島(朝鮮半島)の未来がさらに健全になるよう期待している」と述べた。統一部は今月から民間団体の申請を受け付ける計画だ。

  この日の政府による対北朝鮮支援決定は、先週の北朝鮮による巡航・弾道ミサイル発射に対してこれといった糾弾もない状況で行われた。このため、北朝鮮の軍事挑発に免罪符を与えるのではないかと指摘されている。対北朝鮮人道支援は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が今年1月の朝鮮労働党第8回大会で「非本質的事案」とはねつけた事案だ。北朝鮮はその後、韓国はもちろん、国際社会の人道支援も全面拒否しており、実際に支援が行われるかどうかは不透明だ。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/09/25/2021092580020.html

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