北朝鮮、首脳会談言及の3日後に新型ミサイル発射

　北朝鮮は28日午前6時40分に慈江道舞坪里から短距離ミサイル1発を発射した。北朝鮮による武力挑発は今年に入ってこれが6回目で、文在寅（ムン・ジェイン）大統領が今月25日に行った終戦宣言の提案に金与正（キム・ヨジョン）労働党副部長が前向きな反応を示し、首脳会談に言及してから3日後のことだ。その際、金与正氏は「北朝鮮のミサイルは挑発で、韓国のミサイル発射は抑止力」とする韓米両国の主張を「ダブルスタンダード」と強く非難し、撤回を要求した。今回の発射はこれに対する韓国政府の反応を見極める狙いがあったとみられる。

  韓米両国はこの日北朝鮮が発射したミサイルについて「弾道・巡航ミサイルの特性を両方持ち合わせた新たな兵器の可能性が高い」との見方を示している。韓米のミサイル探知と迎撃態勢を無力化する超音速ミサイル（マッハ3以上）の実験が行われた可能性も指摘されている。

  青瓦台（韓国大統領府）はこの日、徐勲（ソ・フン）国家安保室長主催の国家安全保障会議（NSC）常任委員会を緊急招集し、直後に「今回の北朝鮮によるミサイル発射が韓半島情勢の安定にとって非常に緊要な時期に行われたことに遺憾を表明する」とのコメントを発表した。しかし今回のミサイル発射を「挑発」とは指摘しなかった。

  北朝鮮がミサイルを発射した直後、韓国軍合同参謀本部は「未詳の発射体」と発表したが、その後「短距離ミサイル」に変更し、記者団にこれを伝えた。韓国軍はミサイルの発射直後の軌跡を監視しながら「弾道ミサイルの可能性が高い」と判断したが、実際の飛行距離は200キロに満たず、高度も今月15日に発射された短距離ミサイル（60キロ）の半分ほどだったという。ある韓国軍関係者は「既存のミサイルとは異なる特性を示した」とした上で「弾道ミサイルのように上昇し、下降してから巡航ミサイルのように飛行したと観測している」と伝えた。 ■「2021年世界の軍事力ランキング」米国1位、韓国6位、日本は？

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/09/29/2021092980019.html