経済難の北、11月に中朝国境開放か…造幣用紙なくなり「臨時金券」発行

 北朝鮮が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対応で国境を閉鎖し、経済難にあえぐ中、来月から中朝国境を開放し、列車の運行を開始するとの観測が出ている。現在は南浦港を通じて中国との交易を行っているが、他の港の開放も準備しているという。 ■「2021年世界の軍事力ランキング」韓国6位、北朝鮮28位、中国は?  韓国国家情報院(国情院)は同日行われた国会情報委員会の国政監査で「北朝鮮が、物資不足の深刻化を受けて対外交易の拡大を始めている」と報告した。情報委の野党幹事を務める河泰慶(ハ・テギョン)議員(国民の力)が伝えた。

  国情院によると、北朝鮮は今年7月以降、船舶による緊急物資の搬入を拡大し、船舶運航が増加。8月からは医療・防疫物資の搬入も一部許可している。しかし、コロナの防疫指針により、搬入物資は港湾で一定期間保管する必要があるため、現時点で唯一の中朝交易通路である北朝鮮最大の貿易港、南浦港が飽和状態になっているという。

  国情院は、北朝鮮が列車による中国・ロシアとの貨物運送を再開する動きも見せていると報告した。運行計画について中露と協議を進めているというわけだ。その上で、北朝鮮の新義州から、鴨緑江の対岸にある中国・丹東までの列車運行を今年11月から開始する可能性があると説明した。

  国情院は、年初から9月までの中朝貿易額は1億8500万ドルと明らかにした。前年同時期(5億3000万ドル)の3分の1水準だ。9月の交易規模も、2019年の同期に比べ29%にとどまったという。

  河議員は「国情院は、北朝鮮の経済難を示す具体例として、北朝鮮製の紙で作った『臨時金券』の発行を挙げた」と話した。北朝鮮の中央銀行(朝鮮中央銀行)は通常、造幣用紙と特殊インクを輸入して紙幣を発行しているが、用紙とインクの輸入がストップしているため、北朝鮮製の紙を使って、正式な紙幣の代わりとなる「臨時金券」を発行したというわけだ。

  国情院はまた、北朝鮮で必須医薬品の品切れ状態も起きており、腸チフスなど水系伝染病が拡大しているとも報告した。

  北朝鮮の食糧難について、情報委の与党幹事を務める金炳基(キム・ビョンギ)議員(共に民主党)は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「薄氷を踏む思いだ。コメ一粒残さず収穫せよ」「ごはんを食べる者は全員、農村支援に行け」と指示したと伝えた。

  ただし河議員は「国情院の報告によると、日照時間が増加したため今年の全体的な作況は昨年を上回る見通し」と説明した。また、北朝鮮は食糧難を打開するために全軍・全民総動員体制に突入し、例年より早い10月20日ごろ稲刈りを終えたという。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/10/28/2021102880195.html

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