韓国通信大手KTのネット不通、トラフィックが少ない深夜にやるべき作業を昼間に強行

 今月25日、韓国全土で85分間にわたり通信大手KTの有線・無線インターネットが不通となった事故は、夜間作業として承認された重要設備の交換工事を日中に実施し、最低限の安全規定も守らなかったために起きたことが判明した。KTの管理不行き届きと下請け業者の安易な業務方式が複合的に作用した呆れた人災だった格好だ。KTと共同で事故原因を調べている科学技術情報通信部と韓国インターネット振興院(KISA)は事実関係を確認し、KTに再発防止策と被害補償を求めることを決めた。科学技術情報通信部は29日に中間調査結果を発表する予定だ。 ■夜間作業として承認受け、昼に設置  KTの事故調査に加わっている政府関係者によると、下請け業者による25日の設備設置は当初夜間作業として承認を受けた。万一の事態に備え、インターネットのトラフィック(通信量)が最も少ない時間帯に作業することを決めた。しかし、設備設置を担当した下請け業者は大型の設備搬入を夜間に行うのは困難だとして、午前中に前倒しして搬入した。調査団関係者は「下請け業者は設備搬入と設置準備だけを行うと言っていたが、実際は設備設置とシステム設定まで行った。その過程で下請け業者の社員がインターネットトラフィックの経路を指定するコマンドを1行飛ばして入力し、それが全国的なインターネット不通につながった」と説明した。

  調査団はKT、下請け業者がいずれも通信システムを扱う上で守るべき規定に違反していたことも確認した。下請け業者は承認を受けた作業時間を勝手に変更したが、KT釜山支社関係者は積極的に制止していなかった。また、全国的に影響を与えかねない重要設備の設置にもかかわらず、事故発生に備えた措置を取らなかった。KT関係者は「設備の交代や維持・保守過程では特定の機器の問題が通信網全体に広がることを防ぐため、データ送受信のう回路をあらかじめ設定するか、バックアップ設備を準備することを義務付けている。しかし、今回はそうした手順が全く取られなかった」と指摘した。特に今回の設備はKTが初めて導入する設備だったにもかかわらず、事前テストをせず、非常時の作業マニュアルも準備していなかった。通信業界関係者は「安易な対処が全国をまひさせた。呆れたミスだ」と語った。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/10/29/2021102980008.html

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