李在明候補が謝罪した「甥のデート暴力」弁護、実は母娘殺人事件だった

 韓国与党・共に民主党の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン)候補は24日、「私の一家のうちの1人が『デート暴力重犯罪』を犯し、その家族は弁護士を選任する余裕がなく、一家で唯一の弁護士である私が弁論を引き受けるしかなかった」と述べた。韓国では一般に結婚前の恋人間の暴力(デートDV)のことを「デート暴力」と呼んでいる。李候補はデート暴力特別対策を講じるという文脈で自身が過去に「デート暴力重犯罪」の弁護を担当した事実に言及した格好だ。しかし、李候補が言及した事件は「デート暴力」のレベルを超える「母娘殺人事件」だった。野党からは李候補が自分の弁護した凶悪犯罪を単純なデート暴力事件と受け止められるように表現し、そっとやり過ごそうとしたのではないかとの指摘が出ている。

  李候補は23日、京畿道楊州市で発生したデート暴力事件の被害者遺族と懇談会を開いた。李候補はフェイスブックで「自分にもつらい過去があり、さらに重い気持ちになる席だった」とし、過去においが犯した殺人事件を弁護したことに触れた。李候補は「既に政治家になった後のことであり、かなり迷ったが、避けることは容易ではなかった」とし、被害者や遺族らに謝罪した。

  李候補が加害者を弁護したという「デート暴力重犯罪」は2006年5月にソウル市江東区で起きた「母娘殺人事件」を指す。李候補のおい、K氏が別れた交際相手の女性が住んでいた家を訪ね、凶器で元交際相手とその母親をそれぞれ19回、18回刺して殺害した事件だった。元交際相手の父親も事件当時に5階から飛び降りて重傷を負った。李候補は事件の加害者であるおいの一、二審の裁判を担当した。おいは07年2月に無期懲役の刑が確定した。李候補は当時、おいを弁護し、「衝動調節能力の低下で心神耗弱状態にあった」とし、減刑を求めたとされる。

  この事件について、野党国民の力のイム・スンホ広報は「デート暴力と言うよりも殺人事件の重犯罪と呼ぶのが適当だ」と述べた。選対のキム・ビョンミン広報は「国民は信頼性に疑問符を付けざるを得ないはずだ。人生の軌跡が人生の指紋となって、その人物の人柄を物語る」と語った。李候補のフェイスブックにも「知らない人が見れば、おいがデートをしていて数回殴ったかのように見える」「巧妙な言葉遣いで事件の深刻さを覆い隠している」といったコメントが付いた。

  金融被害者連帯で活動するイ・ミンソク弁護士もフェイスブックを通じ、この事件に触れ、「李在明は人権弁護士ではない。破廉恥な社会悪を弁護した。稀代の殺人魔を弁護士、心神耗弱だと主張した」と指摘した。凶悪犯罪を犯した人物でも弁護を受ける権利はあるが、李候補が「人権弁護士」を標榜するのは誤りだとの批判だ。

  イ・ミンソク弁護士は李候補が弁護した別の殺人事件にも言及した。07年8月にA氏が交際関係にあった女性に別れ話を切り出され、凶器と農薬を持って女性宅を訪れ、女性を殺害した事件だ。イ弁護士は「(李候補は)娘が見ている前で母親を殺した人間について、心神耗弱、心神喪失だと弁護した。無期懲役になってもおかしくなかったが、懲役15年を言い渡された」と語った。李候補が2人の凶悪犯を弁護し、「心神耗弱」を盾にしたとの主張だ。

  これについて、李候補サイドの関係者は「07年の事件は書類上は李候補の名前が(弁護人として)入っているが、同じ法律事務所の別の弁護士が弁論を行った」と説明した。選対関係者は「おいの事件は李候補が率直に謝罪の立場を表明した通りに理解してほしい」と語った。 キム・ギョンファ記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/26/2021112680004.html

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