韓国女子柔道・金美廷、彼女は常に先駆者だった

 「けいこは厳しくしますが、休みの時は母親のような指導者になりたいです。『MZ世代』(現在10代後半から20代前半まで)の選手たちにはそういうことが必要だと思います」

  これは、韓国柔道史上初めて先月、女性で韓国代表監督となった金美廷(キム・ミジョン)監督(50)が本紙との電話インタビューで「今後選手たちをどのように指導するか」という問いに答えたものだ。先日、鎮川選手村入りした金美廷監督は「女性指導者として『男子禁制』の選手村宿舎の管理にも気をつけようと思っています。女子選手たちが年齢と共に経験するようになる身体面の変化や体重コントロールなどの問題について話し合いたいですね」と語った。

  金美廷監督には常に「先駆者」という言葉が付いて回る。同監督はかつて、韓国柔道女子代表の全盛期を切り開いたスター選手だった。1991年の世界選手権大会と1992年のバルセロナ五輪で韓国柔道女子史上初の優勝を果たした。そして23歳だった1994年、広島で行われたアジア大会での金メダルを最後に引退した。金美廷監督は「女子選手たちは当時、大学を卒業したら選手をやめるのが当たり前でした。また、最高の位置にいる時にやめたいという気持ちがあって、未練なく早く引退する道を選びました」と振り返った。

  女性ゆえの困難も多かった。柔道世界選手権優勝者の金炳周(キム・ビョンジュ)現・韓国空軍士官学校教授と1994年末に結婚した金美廷監督は、1996年末に韓国代表で初の女性コーチに選ばれた。ところが、大会のため日本に行った時につわりなどで妊娠していることに気付き、選任から1カ月で辞任した。だが、出産・育児をしながら柔道を続けた。そして2012年に再び韓国女子代表のコーチに選ばれ、2014年の仁川アジア大会にコーチとして韓国代表の好成績(金メダル3個・銀メダル1個・銅メダル3個)に貢献した。

  金美廷監督が今回、韓国代表監督就任に挑戦したのには、家族の支えも大きな役割を果たした。「夫が『年をもっと取って情熱がなくなる前に韓国女子代表チームを率いてみろ』と勧めてくれました」「来年高校3年生になる末っ子をはじめ、3人の子どもたちも『私たちは自分たちでちゃんとやるから心配しないで。お母さんがやりたいことをして』と言ってくれました」と話す。金美廷監督夫妻の長男キム・ユチョルさん(22)は男子90キログラム級の柔道選手で、五輪出場を夢見ている。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/12/31/2021123180096.html

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