尹錫悦候補と李在明候補、僅差の攻防を左右する4大変数

 旧正月(今年は2月1日)をはさんだ連休を目前に控え、大統領選挙に出馬している韓国与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補、保守系野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が誤差の範囲内で薄氷の勝負を展開している。大統領選挙や総選挙など過去の選挙では「旧正月の民心」が勝負に影響を及ぼすケースが多かった。また政界では40日後に近づいた大統領選挙の構図を左右する最後の変数として「野党候補の一本化」「与野党のネガティブキャンペーン」「テレビ討論」「コロナ感染拡大」が4大変数と考えられている。 【グラフ】支持率の推移  尹候補と中道系野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補による野党候補一本化は選挙情勢を大きく揺るがす最も破壊力のある変数だ。両候補とも現時点では一本化に距離を置いているが、今後の形勢などによってはいつでもこの問題が浮上する可能性がある。また複数の世論調査で政権交代を求める世論は50%以上を維持しており、先日公開された共に民主党ソウル支部の内部報告書も「尹候補と安候補が一本化した場合、李在明候補は必ず敗れる」と結論づけている。

  両党によるネガティブキャンペーンも変数の一つだ。共に民主党は尹候補の妻キム・ゴンヒ氏に関する数々の疑惑に火力を集中している。李候補は「ネガティブキャンペーンの中断」を宣言したが、共に民主党の尹昊重(ユン・ホジュン)院内代表は28日「ネガティブ選挙運動とファクト・チェックは区分すべきだ」として尹候補への攻撃を予告した。国民の力も大庄洞や城南FCの捜査外圧など李候補の城南市長在任中の市政に関する不正疑惑提起に力を入れている。野党陣営の関係者は「キム・ゴンヒ氏の音声記録など与党側の度重なる攻勢がある程度影響している」とコメントした。

  テレビ討論は中央選挙放送討論委員会が主管する3回の法定討論以外にも李候補と尹候補2人の討論、あるいは4人の討論にも関心が集まっている。過去の大統領選挙においてテレビ討論は「各候補者の支持層結集」には影響したが、各候補の支持拡大にはさほど影響を及ぼさなかったという。ただし現状のような薄氷の構図の場合、「失言など決定的なミスが出れば形勢が揺らぐ可能性もある」というのが専門家の見方だ。

  さらに現時点で感染者数が1日1万6000人を上回ったコロナが旧正月連休後にさらに深刻な状況となった場合、これも大きな変数として浮上しそうだ。前回の第20代総選挙で与党の大勝をもたらしたいわゆる「K防疫」の成果が防疫失敗とみなさる可能性もあり、とりわけ被害が大きかった自営業者や零細事業経営者の間で「政権への審判」を求める感情が高まる可能性も考えられる。野党も投票日を前に感染拡大の勢いが止まった場合や「危機的状況の時に政治攻勢を展開した」と後から批判される事態を懸念している。また与野党いずれの候補も対面での遊説計画を一定部分修正せざるを得ない見通しだ。

  このような状況で李候補は支持率下落が底を打ったと判断し、連休期間に「経済とコロナ危機克服の適任者」を前面に打ち出す考えだ。李候補陣営の選挙対策委員会で戦略企画本部長を務める姜勲植(カン・フンシク)議員はあるラジオ番組で「今回の選挙では食べる問題、防疫の問題をうまく解決できる候補者である点を伝えたい」との考えを示した。李候補は旧正月連休中に出身地の安東市を含む大邱・慶尚北道地域を訪れ、経済回復に関するメッセージを出す計画だ。

  尹候補は旧正月連休期間を含む投票日1カ月前の来月9日までに大きな公約を次々と発表し、注目度を高める戦略だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権で有名無実化した特別監察官制度の正常化など、政治や司法関連の改編案発表も計画している。尹候補陣営は「政権交代ができる唯一の候補という点を政策を通じて証明したい」との考えを示している。尹候補は旧正月連休期間、就職の準備を続ける若者や貧しい人たちの訪問も考えているようだ。 ヤン・スンシク記者、キム・スンジェ記者、キム・ウンジュン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/01/29/2022012980011.html

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