【独自】国内の情報収集から手を引いた韓国の情報機関、「月初費」は5年間支給中
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)が、毎月初めに全職員に最大200万ウォン(現在のレートで約19万3000円。以下同じ)相当の「情報費」を渡していることが22日までに分かった。この「情報費」はかつて、国内外の情報収集などについての活動費という名目で支給されていた。しかし国情院は国内情報収集機能を廃止した後もこの「情報費」を支給してきた。月初に支給するお金という意味で、職員らは「月初費」と呼んでいる。韓国国会情報委員会の関係者は「国情院の国内情報収集機能を廃止したという現政権においてもこのカネを支給し続けているのは、情報機関の道徳的緩みに相当する」と語った。
国情院は毎月1日、全職員に月初費を全額現金で支給するという。毎月19日に入ってくる基本給与とは別だ。税金もかからない。職責に応じて差はあるが、9級公務員で月30万ウォン(約2万9000円)を受領し、1-2級に該当する本部局長・支部長の場合、多いときは月200万ウォン以上も受け取ることが分かった。月初費は情報部署だけでなく防護・運転・施設・電気など非情報部署の職員にも支給されているという。国情院の元関係者は「毎月1日になると、内谷洞の国情院内にある市中銀行のATM前には、入金しようとする職員で長い列ができる」と語った。
国情院が月初費を支給する目的には、活動支援、身辺の危険に対する補償などと共に「情報収集」という名目もあるといわれる。「現場情報収集要員だけでなく、全ての職員が国情院の目と耳になり、各所に出かけて集めた情報をまとめて整理して報告せよ」という趣旨だ。月初費を受け取った職員らは月1回、いわゆる「内勤者諜報」と呼ばれる報告書を作り、領収書などを添付して用途を報告するという。青瓦台(韓国大統領府)や国会情報委員会に報告する価値があるほど優れた情報に対しては、賞与金形式の「情報加算」も行われたという。ただし現在は、内勤者諜報を作ることはなく、領収書提出の義務もないことが分かった。手当ないしは月給の一部へと月初費の性格が「変質」した、と解釈されている。
文在寅政権は「国情院の国内政治介入禁止」を公約した。このため現政権の発足後、国情院は月初費の支給を継続するかどうか、支給方式はどうするかを内部で話し合ったという。2017年6月、現政権の初代国情院長に就任した徐勲(ソ・フン)院長(現・青瓦台国家安保室長)は当時、「どういう名目で月初比費の支給を継続できるか、アイデアを出せ」という趣旨の公文を一部の部署へ送ったと伝えられている。「語学教育費」といったアイデアを出した職員もいたが、その後、議論に進展はなかった。この事案に詳しいある人物は「関連公文に『保安注意』という表記が付いているほどで、外部の視線に神経をとがらせている様子だった」とし、「職員の反発を意識して、議論はうやむやにされた」と語った。
文在寅大統領就任後、国情院は国内情報収集を担当してきた第2次長傘下の一部の局と地方支部をまとめて廃止した。文大統領の選挙公約に基づくもので、当時国情院は国会に「もう国情院に『国内』はない」と説明した。ところが、国内情報収集機能がなくなったにもかかわらず、月初費は5年間支給し続けている。このため、予算の相当部分を非公開処理する情報機関の道徳的緩みだという批判は避けがたい、という指摘がなされている。国情院の情報部署の職員らは、月初費以外にも「情報事業費」という名称の手当を別途受け取っているといわれる。
これについて国情院の関係者は「国情院法の予算内訳公開禁止規定により、細部の内訳の公開や追加説明は難しい」としつつ、「国会情報委の審査を受けて予算を編成し、執行の内訳を4半期ごとに報告している」と語った。また「国情院は法に定められた職務(国外・北朝鮮・防諜・産業情報流出などに関する情報収集・作成・配布)の遂行のための予算を編成している」「国内情報収集に関連する組織・人員は国情院には存在せず、これに関連する予算編成・執行もない」と説明した。 キム・ウンジュン記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/23/2022022380011.html
国情院は毎月1日、全職員に月初費を全額現金で支給するという。毎月19日に入ってくる基本給与とは別だ。税金もかからない。職責に応じて差はあるが、9級公務員で月30万ウォン(約2万9000円)を受領し、1-2級に該当する本部局長・支部長の場合、多いときは月200万ウォン以上も受け取ることが分かった。月初費は情報部署だけでなく防護・運転・施設・電気など非情報部署の職員にも支給されているという。国情院の元関係者は「毎月1日になると、内谷洞の国情院内にある市中銀行のATM前には、入金しようとする職員で長い列ができる」と語った。
国情院が月初費を支給する目的には、活動支援、身辺の危険に対する補償などと共に「情報収集」という名目もあるといわれる。「現場情報収集要員だけでなく、全ての職員が国情院の目と耳になり、各所に出かけて集めた情報をまとめて整理して報告せよ」という趣旨だ。月初費を受け取った職員らは月1回、いわゆる「内勤者諜報」と呼ばれる報告書を作り、領収書などを添付して用途を報告するという。青瓦台(韓国大統領府)や国会情報委員会に報告する価値があるほど優れた情報に対しては、賞与金形式の「情報加算」も行われたという。ただし現在は、内勤者諜報を作ることはなく、領収書提出の義務もないことが分かった。手当ないしは月給の一部へと月初費の性格が「変質」した、と解釈されている。
文在寅政権は「国情院の国内政治介入禁止」を公約した。このため現政権の発足後、国情院は月初費の支給を継続するかどうか、支給方式はどうするかを内部で話し合ったという。2017年6月、現政権の初代国情院長に就任した徐勲(ソ・フン)院長(現・青瓦台国家安保室長)は当時、「どういう名目で月初比費の支給を継続できるか、アイデアを出せ」という趣旨の公文を一部の部署へ送ったと伝えられている。「語学教育費」といったアイデアを出した職員もいたが、その後、議論に進展はなかった。この事案に詳しいある人物は「関連公文に『保安注意』という表記が付いているほどで、外部の視線に神経をとがらせている様子だった」とし、「職員の反発を意識して、議論はうやむやにされた」と語った。
文在寅大統領就任後、国情院は国内情報収集を担当してきた第2次長傘下の一部の局と地方支部をまとめて廃止した。文大統領の選挙公約に基づくもので、当時国情院は国会に「もう国情院に『国内』はない」と説明した。ところが、国内情報収集機能がなくなったにもかかわらず、月初費は5年間支給し続けている。このため、予算の相当部分を非公開処理する情報機関の道徳的緩みだという批判は避けがたい、という指摘がなされている。国情院の情報部署の職員らは、月初費以外にも「情報事業費」という名称の手当を別途受け取っているといわれる。
これについて国情院の関係者は「国情院法の予算内訳公開禁止規定により、細部の内訳の公開や追加説明は難しい」としつつ、「国会情報委の審査を受けて予算を編成し、執行の内訳を4半期ごとに報告している」と語った。また「国情院は法に定められた職務(国外・北朝鮮・防諜・産業情報流出などに関する情報収集・作成・配布)の遂行のための予算を編成している」「国内情報収集に関連する組織・人員は国情院には存在せず、これに関連する予算編成・執行もない」と説明した。 キム・ウンジュン記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/23/2022022380011.html
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