4年前の合意が紙くずに…北朝鮮がICBM挑発

 北朝鮮は24日午後2時34分、平壌順安飛行場から東海に向け大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の長距離弾道ミサイル1発を発射した。2017年11月に「火星15型」と呼ばれるICBMを試験発射して以来4年4カ月ぶりだ。北朝鮮がこの日発射したICBMは4年前に比べて飛行した高度や距離はいずれも向上した。これに核弾頭が複数に分かれる多弾頭攻撃技術も確保すれば、ニューヨークやワシントンなど米東部の主要都市をミサイル1発で同時に攻撃できる力を持つようになる。これによって北朝鮮は2018年に国際社会に向け自ら宣言したモラトリアム(核実験とICBMの猶予」を破棄した。文在寅(ムン・ジェイン)政権が5年かけて進めた「韓半島平和プロセス」も完全に無意味になったとの評価も出ている。  韓国軍合同参謀本部はこの日「北朝鮮が平壌順安飛行場からICBM級と推定されるミサイルを東海上に発射した」「高度6200キロ以上、飛行距離は1080キロと探知された」と発表した。ICBMを通常の角度よりも高く打ち上げたのだ。合同参謀本部はミサイルの正確な機種には言及しなかったが、最高高度と飛行距離のいずれも向上していることから、4年前の「火星15型」よりもその性能は向上したものとみられる。あるいは世界最大の多弾頭ICBMとされる火星17型を発射した可能性も指摘されている。韓国軍は挑発から2時間後のこの日午後4時25分、北朝鮮の挑発に対抗するため地対地ミサイル「玄武2」1発とエイタクムス1発、艦対地ミサイル「海星2」1発などを発射した。対抗発射は北朝鮮のミサイル発射地点を仮想した標的に向けて行われたという。

  文大統領はこの日、国家安全保障会議(NSC)を緊急招集し「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は国際社会に約束した大陸間弾道ミサイル発射猶予を自ら破棄した」「韓半島と国際社会に深刻な脅威をもたらし、国連安保理決議にも明らかに違反するものであり、これを強く糾弾する」と述べた。文大統領が北朝鮮のミサイル挑発に「糾弾」という言葉を使ったのは4年以上前の2017年11月のICBM挑発以来だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側は声明で「国連安保理決議に全面的に違反することで、わが国の安全保障にとっても脅威となる重大な挑発だ」と強く非難した。

  今回の北朝鮮によるICBM発射は韓国の政権交代期とウクライナ事態で混乱する国際情勢に付け込んだものと分析されている。 梁昇植(ヤン・スンシク)記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/03/25/2022032580021.html

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