5年しがみついた「平和プロセス」が破綻…文大統領、今になって「北を強力に糾弾」(下)

 これと併せ、韓国の政権交代期を狙って新たに成立する「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権」を手なずけ、ウクライナ問題に関心が向いている米国のジョー・バイデン政権を圧迫しようという意図がある-とも解されている。外交関係者の間では、昨年2月に発足したバイデン政権が北朝鮮問題に関してこれといったロードマップを打ち出さないことから、「北朝鮮の核問題の優先順位が下がった」という声も根強い。外交消息筋は「対外情勢や今年5月の尹大統領就任などを総合的に判断して、政治的・軍事的効果を最大化できる時期に発射を断行したものとみられる」と語った。北朝鮮は、文在寅政権が発足した2017年5月前後に核実験や、ICBM発射を含む計11回のミサイル挑発を行い、2013年2月の朴槿恵(パク・クンへ)大統領就任前後の時期にも3回目の核実験を強行した。  この日のICBM発射を巡り、外交関係者の間からは、文在寅政権が任期中ずっと推進してきた「韓半島平和プロセス」に死亡宣告が下った、という指摘する声が上がった。国家安保戦略研究所長出身のユ・ソンオク「診断と代案」研究所長は「文在寅政権は、ありもしない"北朝鮮の非核化の意志"を宣伝してやることで、事実上ICBM挑発をほう助した」とし、「韓半島平和プロセスは完全に破産した」と語った。

  文大統領が北朝鮮の挑発に対し「強力に糾弾する」と語るのは、2017年11月29日の火星15型ICBMの発射以来、4年4カ月ぶりのこと。北朝鮮は、平和攻勢に転じた2018年には武力の誇示を一時止めたものの、2019年2月のハノイ米朝首脳会談が決裂すると、同年5月から武力の誇示を再開し、これまでおよそ30回にわたって、各種の弾道ミサイルや放射砲(多連装ロケット砲)およそ50発を撃った。だが文大統領は一度も、北のミサイル対応のために開かれた国家安全保障会議(NSC)に出席せず、「強力に糾弾」という表現も使わなかった。

  問題は、北朝鮮の強硬な挑発はこれで終わらない可能性が高いという点だ。「衛星発射体」を装ってICBMを追加発射したり、豊渓里などで核実験を再開したりすることもあり得る-という見方も出ている。こうなると、韓国の新政権発足時期の前後に、南北関係は相当期間「強硬対強硬」の対決構図へ流れるものと予想される。尹錫悦次期大統領は、候補時代から北朝鮮の挑発に対し先制攻撃を行う可能性にまで言及し、「韓米同盟を通した断固たる対応」をたびたび表明している。 李竜洙(イ・ヨンス)記者、キム・ウンジュン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/03/25/2022032580045.html

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