「コロナかな」と思っても検査を受けずに我慢する韓国の会社員たち

 「社員20人ほどの会社ですが、のどが痛いという社員が(新型コロナウイルス自己診断)キットで陰性だったので、風邪薬だけ飲んでいました。ところが、結局陽性であることが分かりました。ほかの社員たちも1人、また1人と陽性になったと言っています。うちの会社はどうすればいいですか?」

  「新型コロナ検査キットで陽性反応が出たんですが、会社では『PCR検査を受けないで在宅勤務しろ』と言っています」

  新型コロナ一日新規感染者数が数十万人を連日超えている中、韓国の中堅企業・中小企業や自営業者などを中心に葛藤(かっとう)が起こっている。以前なら「新型コロナ感染者」は必ず休んだが、人手不足が続いていることから、「感染者」であることが確定するPCR検査などを会社側が事実上禁止したり、社員が感染の事実を知らせなかったりするというのだ。

  ソウル市九老区にある情報技術(IT)企業に通うAさん(28)は先日、新型コロナ自己検査キットで検査したところ、線が2本出たので在宅で勤務を続けた。代わりをしてくれる社員がいないという理由からだった。その後、AさんはPCR検査を受けて感染が確認された。済州に住むBさん(65)も似た状況だ。Bさんはアルバイトの形である飲食店で働いている。先日、風邪気味で検査キットを使おうかと悩んだが、飲食店主に止められたので検査しなかった。

  この2人と同様の事例はインターネット上でも時折見かける。「新型コロナ感染者が多いからPCR検査を受けるな」「自己検査キットで確認だけして風邪薬を飲め」などの投稿が相次いでいる。また、症状がある社員の中には、PCR検査を受けずに会社に行っているという投稿をする人もいる。

  特に中堅企業・中小企業や自営業者などを中心にこうした話が多い。1週間ほど業務や関連勤務から外れれば、代わりの人を探さなければならないが、数十人も感染者が出ると厳しい状況に陥るためだ。

  感染者が韓国全国で数十人から数百人の時は、大半の会社が最大で2週間まで自己隔離をするように言っていた。ところが、新規感染者が全国で一日数十万人に達し、1つの会社で十数人にもなると、「ゆっくり休め」と言えない状況になっているのだ。Aさんも「私の業務を代わってくれる社員がいないので休めない状況だ」「正直言えば、のどや胸がひどく痛くて、何日か休みたいと思っている」と言った。

  こうした状況のため、自発的にPCR検査を避ける人も出ている。どうせ休むこともできないし、在宅で勤務する状況なのに、下手に検査して陽性だったら損をするというのだ。その上、新型コロナに感染しても重症者でなければ国から特に措置がないという話が飛び交っているため、「1人で我慢した方がいい」という声が相次いでいる。

  中央防疫対策本部は28日午前0時時点での新型コロナ感染者数は累計1200万3054人だと明らかにした。今月22日から同日までの一日新規感染者数は35万3911人→49万821人→39万5568人→33万9514人→33万5580人→31万8130人→18万7213人で、この1週間の一日平均感染者は34万5819人だった。同対策本部は「この11週間で新型コロナのオミクロン株流行がピークを過ぎて徐々に減少傾向に転じている」と述べた。 ソン・ジュサン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/03/29/2022032980004.html

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