韓国次期与党・国民の力、3日でUターン…党内「名分も実利も失った」

 国民の力は25日、李俊錫(イ・ジュンソク)代表が最高委員会議を開き、権性東(クォン・ソンドン)院内代表が共に民主党の朴洪根(パク・ホングン)院内代表と合意した「検察捜査権完全剥奪」を巡る仲裁案について再協議することを決定した。22日に仲裁案を受け入れた権院内代表も同日、最高委員会議に出席した。

  国民の力指導部が検察捜査権完全剥奪を巡る仲裁案で民主党と合意してから3日後に方針を撤回したのは、「与野党が密室立法をしている」という世論の批判が高まったためだ。李俊錫代表は22日、ラジオに出演し、自分も仲裁案に同意したと述べた上で、「100%満足できる状況ではないが、(検察の)補完捜査権が相当部分維持されたことについては、半分成功した交渉だったと判断している」と述べた。権院内代表も仲裁案に合意後、「検察捜査権完全剥奪」で最大の毒素条項である補完捜査権の廃止を阻止したと意味付けした しかし、その後世論の批判が高まると、権院内代表は先週末、フェイスブックに3回も国民に対する謝罪文を投稿し、李代表は前日、再協議に乗り出す考えを表明した。

  国民の力の方向転換には、尹錫烈(ユン・ソクヨル)次期大統領が仲裁案に懸念を示したことも影響したとみられる。 尹次期大統領のペ・ヒョンジン報道官は同日、「尹次期大統領は政界全体が憲法価値の守護と国民生活を守る正解が何であるのか深く悩み、衆知を集めることを求めた」とした上で、「国民に勝る政治はない」とし「巨大与党は国民が心配する中で立法の独走を強行しないのではないかとみている」と述べた。尹次期大統領のこうした立場は、仲裁案の再協議が必要だという意向を遠回しに表明したものと受け止められた。国民の力関係者は「民主党が違憲問題が指摘される拙速法案を押し切ろうとする状況で、仲裁案に合意した国民の力にも責任があるという支持層の世論を尹次期大統領が重く受け止めているようだ」と指摘した

  国民の力は同日、検察捜査権完全剥奪仲裁案の再協議を決定するのに際し、議員総会を経なかった。その点を巡っては、民主党と交渉を続けなければならない権院内代表の立場を考慮したとの指摘がある。しかし、民主党は仲裁案をそのまま4月国会で処理するという立場を崩していない。このため、議席数で劣勢の国民の力の意向通りに再協議が行われるかどうかは不透明だ。 国民の力関係者は「(国民の力が)検察捜査権完全剥奪を阻止するために断固対抗したという名分も、再協議を通じて立場を貫いたという実利も全て逃す結果になれば、指導部に対する批判が高まりかねない」と懸念した。 キム・ミンソ記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/26/2022042680057.html

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