【4月26日付社説】次世代主力産業はおろか現在すら中国に追撃され危うい韓国

 「新政権では未来の主力産業として『6G(第6世代移動通信)』『二次電池』『次世代原子力発電所』『人工知能(AI)』『文化コンテンツ』などを重点育成していく」と、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権の発足準備に携わる政権引継ぎ委員会の安哲秀(アン・チョルス)委員長が明らかにした。同委員長は「今のシステムの半導体、未来カー、バイオヘルスなどが終わってしまったら、その次が見えてこない」として、「新たに成長する分野に集中しようと思う」と述べた。当然進むべき方向だ。

  だが、現在の韓国の主力産業が置かれている実情は深刻だ。未来の主力産業はともかく、半導体やバッテリーといった従来の分野でも中国に追い付かれ、間もなく追い越される危機を迎えているからだ。この3年間で台湾と日本は中国半導体市場における占有率をそれぞれ4.4ポイントと1.8ポイント引き上げた一方、韓国の占有率は5.5ポイント減少した。サムスン電子の大規模投資決定が遅れ、台湾TSMCの独走体制がさらに強化されたのだ。

  世界最高の技術と売上を出した電気自動車バッテリーも中国に追い付かれた。昨年の中国最大の電気自動車バッテリー会社CATLの世界市場占有率は32.6%で、韓国バッテリーメーカー3社を合わせた占有率(30.4%)を上回った。中国のほかのバッテリーメーカーまで合わせれば、中国のグローバルシェアは55%を超える。「中国がいくら攻略しても韓国のバッテリー技術に追い付くのは難しい」と言われていたのは2-3年前のことだが、既に技術力までもが追い越される状況になっている。スマートフォンの占有率は4年前に中国に追い越され、2004年に日本を追い抜いて以来1位の座を守ってきたディスプレイも中国に昨年逆転され、17年ぶりに2位になった。

  主力産業の競争力が一斉に弱体化しているのは企業のイノベーション(革新)不足のためだが、競争国より重い規制負担に加え、過去5年間の企業に対する逆風も強かった。巨大な「労働貴族」ばかりが幅を利かせている。このような国で韓国企業がグローバル競争に勝てるはずがない。新政権は、未来の主力産業開発に先立ち、まず産業活力を奪う自害的な企業環境から大手術をしなければならない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/26/2022042680030.html

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