歌手ユ・スンジュン、韓国に入国できず…ソウル行政裁「将兵に剥奪感」

 兵役回避のために韓国国籍を放棄し、入国が禁止された歌手ユ・スンジュン氏(45)が韓国に入国する査証(ビザ)を発給してほしいと訴えた2度目の訴訟で敗訴した。ソウル行政裁判所行政第5部(キム・スンヨル裁判長)は同日、ユ・スンジュン氏が駐ロサンゼルス韓国総領事館総領事を相手取り起こした査証発給拒否処分取り消し訴訟で、原告敗訴の判決を出したと明らかにした。

  ユ・スンジュン氏は2001年に「4級補充役」との判定を受けて公益勤務要員召集通知を受けた状況で召集期日を延期した後、兵役回避のため米国に出国し、2002年に米国の市民権を取得することにより韓国国籍を放棄した。その後、ユ・スンジュン氏は満38歳だった2015年9月、駐ロサンゼルス韓国総領事に在外同胞ビザ(F-4)での入国を申請したが、駐ロサンゼルス韓国総領事は法務部が2002年にユ・スンジュン氏の入国を禁止したという理由でビザ発給を拒否した。これに対してユ・スンジュン氏は1回目の行政訴訟を起こし、2020年に勝訴の判決が確定した。大法院(日本の最高裁判所に相当)は当時、「駐ロサンゼルス韓国総領事館が裁量権を行使せず、『過去に法務部の入国禁止決定があった』という理由だけでユ・スンジュン氏のビザ発給を拒否したのは違法だ」と判断した。駐ロサンゼルス韓国総領事館は法律に基づいてユ・スンジュン氏のビザ発給可否を自主的に審査した上でビザ発給を拒否しなければならない、ということだった。

  ユ・スンジュン氏はこの判決を根拠に2020年10月、駐ロサンゼルス韓国総領事を相手取り、ビザ発給拒否処分の取り消しを求める2度目の行政訴訟を起こしたが、裁判所は同日、ユ・スンジュン氏の主張を受け入れなかった。裁判所は「先の(大法院)判決は行政処分手続きと方法の違法性を指摘したもので、その違法事由を補完すれば再びビザ発給申請を拒否できる」「駐ロサンゼルス韓国総領事は以前とは違い積極的に裁量権を行使し、査証発給許可要件を判断した後、ビザ発給を拒否し、先の判決による再処分義務を履行したものとみられる」とした。

  裁判所は同日、裁判の過程でユ・スンジュン氏を強くしっ責した。裁判所は「国防の義務を履行する上で最も基本的な前提条件は『公平な責任の分担』だ」「ユ・スンジュン氏は公益勤務要員として召集通知を受けた状況で国籍を離脱し、それさえも履行しなかった」と述べた。その上で、「大韓民国将兵らとその家族に大きな喪失感と剥奪(はくだつ)感を与えていることは明らかだ」「現時点でユ・スンジュン氏に対する在外同胞査証発給による私益よりも、これを不許可にすることで保護すべき公益の方が大きく、平等の原則に違反しない」と説明した。 ピョ・テジュン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/29/2022042980203.html

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