検察捜査権完全剥奪法案上程、国民の力が議事妨害に出るや民主党は会期を強制終了

 朴炳錫(パク・ピョンソク)国会議長は27日午後5時、本会議を開き、共に民主党が国会法制司法委員会で単独処理した「検察捜査権完全剥奪」関連法案の検察庁法改正案を上程した。国民の力は直ちに無制限討論を申し立てて採決を阻止した。しかし、民主党は28日午前0時、「会期分割」で国民の力による議事妨害行為を強制終了させた。上程された検察庁法は国会法に基づき、30日に開かれる本会議で採決に付される。

  民主党は27日午前から「必ずきょう本会議を開き、法案を処理する」と表明していた。国民の力は国会本会議場の前でろう城を始め、「検察捜査権完全剥奪法案の単独処理は完全無効だ」と主張した。しかし、朴議長は国民の力が仲裁案に関する合意を破棄したことを理由に本会議を招集すると通告した。  国民の力の議員は本会議場の入り口前で「国民が割りを食い、罪人に有利な法案だ」「李在明(イ・ジェミョン)防弾法である検察捜査権完全剥奪絶対反対」などと書かれた横断幕やボードを掲げ、民主党に抗議した。国民の力は民主党が所属議員の閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員を「偽装離党」させるなど手続き的な瑕疵(かし)があるとして、憲法裁判所に法案の効力停止および本会議への付議禁止の仮処分を申し立てた。

  無制限討論でトップバッターとして登場した権性東(クォン・ソンドン)院内代表は「民主党が検察捜査権完全剥奪に強引な手を使うのは、大統領の権力で抑え込んでいた過去5年間の不正腐敗の実態が明るみに出るのを恐れたからだ」とし、「捜査の空白による被害を国民に転嫁し、犯罪から悠々と逃げおおせようという計算が背景にある」と述べた。権院内代表はまた、「民主党が権力型犯罪を断罪すべきだという言葉を聞き、突然『政治報復』を思い浮かべ、検察を悪魔化した」とも述べた。

  権院内代表による2時間3分にわたる反対討論に続き、民主党の金鍾民(キム・ジョンミン)議員が賛成討論を始めた。金鍾民議員は「国民の半分が『悪いやつ』だという公職者がいるだろうか。(検察のせいで)国民を分断するこの歴史を文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間で終わりにしなければならない」と主張した。「新しい尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権はこの消耗的な対決から脱却し、もっと自由な国政運営が可能となるように助けるべきだ」とも語った。

  金議員に続き、国民の力から検察出身の金雄(キム・ウン)議員が再び反対討論に立った。金雄議員は「検察捜査権完全剥奪とは検察が環境部のブラックリスト事件、産業通商資源部の原発不正事件、蔚山市長選介入事件など公職を悪用した犯罪に対する捜査をできなくするものだ。いったい公職を悪用した犯罪を捜査できないようにすることのどこが検察先進化なのか。巨大な犯罪隠ぺい軍事作戦だ」と断じた。

  民主党が今回、国民の力による無制限討論を無力化するために使った「会期分割」は、国会の会期を1日ずつ分割する手法だ。会期が終了すれば、無制限討論も同時に終了し、次の会期冒頭で無制限討論の対象となった法案は国会法の規定によって自動的に採決に付されることになる。同じ法案に対し、2回の無制限討論は不可能だ。

  民主党は会期分割のために臨時国会の会期を27日に終了させる一方、新たな会期を申請した。新会期は国会法に従い、3日後の30日に始まり、同日に本会議が開かれれば、国民の力が無制限討論で議事妨害に及んだ検察庁法改正案は自動的に採決に付される。国会で171議席を占める民主党の賛成だけで法案の成立に問題はない。民主党は検察庁法改正案を成立させ次第、刑事訴訟法改正案の処理を進めれば、遅くとも3日後の5月3日までに採決が可能だ。 パク・サンギ記者、チュ・ヒョンシク記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/28/2022042880030.html

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