検察捜査権完全剥奪法案、民主党が未明に委員会で強行処理(下)

 民主党が同日、法制司法委を通過させた両改正案は、検察が直接捜査できる範囲を現在の6つの犯罪(汚職・経済・公職者・選挙・防衛事業・大規模事故)から汚職・経済の2つに制限することが骨子だ。国民の力は選挙犯罪と公職者犯罪も含めることを要求したが、民主党は受け入れなかった。ただ、民主党は正義党の提案を受け入れ、選挙犯罪捜査権は6月の統一地方選の公訴時効(6カ月)が成立する年末まで検察に期限付きで残すこととした。これについて、国民の力の朴亨修(パク・ヒョンス)議員は法制司法委で、「年末までしか捜査が認められなければ、地方選挙出馬者だけが検察の捜査を受け、国会議員はすり抜けることができるのに、こんな法律を国民が納得するだろうか」と追及した。国民の力は「選挙犯罪が横行するだろう」と述べた。しかし、民主党の尹昊重(ユン・ホジュン)非常対策委員長は同日、ラジオ番組のインタビューで、「選挙法違反者は(現在も)90%以上が警察が捜査を行っており、大きな問題はない」と述べた。 ただ、法曹界からは「金銭や贈答品を渡す単純な事件はともかく、緻密に計画された選挙犯罪の捜査ノウハウはすべて検察に蓄積されている。警察がすぐにそんな捜査能力を備えられるだろうか」といった批判が聞かれる。  民主党は同日の法制司法委で処理した法案を今週中に本会議で処理し、5月3日に予定される文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最後の国務会議(閣議)で公布できるよう、「速度戦」を展開する計画だ。民主党は朴炳錫(パク・ピョンソク)国会議員に対し、「左顧右眄(さこうべん)しないでもらいたい」とし、27日の本会議招集を強く求めた。朴議長が自ら仲裁案をまとめたのだから、法案処理に協力しろという意味合いだ。

  本会議が開かれる場合、国民の力は議事妨害で阻止するとしているが、実際に法案通過を阻止することは難しいとみられている。民主党(171議席)に正義党(6議席)と与党寄りの無所属議員(最大6-7議席)が合流すれば、議事妨害行為の強制終了に必要な180議席を確保できるからだ。また、民主党には2019年に公捜処法などを強行処理する際に用いた「会期分割」のカードもある。会期が終了すれば議事妨害行為も自動的に終了し、次の会期開始と同時に法案を採決するよう定めた国会法を活用する方法だ。国会関係者は「朴炳錫国会議長が本会議を開き、会期を分割することにも協力すれば、国会法の下で法案処理を防ぐ方法は事実上ない」と指摘した。 パク・サンギ記者、キム・ウンジュン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/27/2022042780074.html

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