韓米日など26カ国の海軍、中国を念頭に「リムパック」訓練実施へ

 今月末に行われる世界最大の海軍訓練「環太平洋合同演習(RIMPAC・リムパック)」に米国、日本、オーストラリア、インドのクアッド4カ国が全て参加することが2日(現地時間)までに分かった。米海軍第3艦隊を中心に、今年の訓練には中国と南シナ海で領有権争いをしているマレーシア、フィリピン、ブルネイも参加する。中でも韓国と日本は過去最大規模の戦力が参加する。米海軍はこの訓練について「強大国による攻撃の抑止・制圧に寄与する」とコメントした。かつては中国も参加していた多国的海上訓練のリムパックだが、今回は「中国けん制の性格を持つようになったのでは」との見方も浮上している。

  米海軍によると、今月29日から8月4日までハワイ周辺とカリフォルニア南部の海上で行われる今年のリムパックには26カ国から約2万5000人の兵力が参加する。38隻の水上艦、4隻の潜水艦、170の軍用機が参加し、陸軍も9カ国から参加する。韓国海軍も1000人以上の将兵に揚陸艦「馬羅島」、駆逐艦「世宗大王」「文武大王」など艦艇3隻、潜水艦1隻、海上哨戒機1機と海上作戦ヘリ2機を派遣する。これは韓国が1990年に最初にリムパックに参加して以来、最大規模の戦力だ。日本の海上自衛隊もリムパックを前に「自由で開かれたインド・太平洋の実現」を掲げ艦艇3隻、潜水艦1隻、ヘリコプターや兵力を派遣すると明らかにした。日本は今回初めて軽空母「いずも」を派遣するという。

  隔年で開催されるリムパックは「ファイブ・アイズ」と呼ばれる軍事同盟国の米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国により1971年から始まった。災難対応や海上での安全保障確保などを目的とする多国的海上訓練として2014年と16年には中国人民解放軍も参加した。しかし18年からは米国が中国による南シナ海の軍事要塞化を問題視したため中国を招待せず、今年はクアッド4カ国と南シナ海に面する各国が全て参加することになった。

  米海軍が明らかにした今年のリムパック参加国には世界の米国の友好国も含まれている。ファイブ・アイズとクアッドのほかに欧州からドイツ、フランス、デンマーク、オランダが参加し、中南米からチリ、コロンビア、エクアドル、メキシコ、ペルーが参加。さらにイスラエルも参加する。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国からはブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの6カ国が参加し、そのほかにスリランカとトンガも参加予定だ。その内容は砲撃、ミサイル、対潜水艦、防空などの訓練に加え海賊の制圧、魚雷の除去、爆発物処理、潜水と引き揚げなどの訓練が含まれている。

  リムパックは参加する26カ国の利害関係が全て異なることから、中国に直接狙いを定めているわけではない。しかし米海軍が明らかにした訓練の目的を見ると、中国を念頭に置いた表現が数多くみられる。たとえば「リムパック期間中に有能かつ適応力のあるパートナーたちは集団的戦力を強化し、自由で開かれたインド・太平洋を促進するため共に訓練し作戦を行うだろう」との文言がある。米海軍はさらに「リムパック2022は連合戦力が全ての領域と全てのレベルの衝突から強大国による攻撃を抑止、制圧するために必要な相互運用性、回復力、敏捷(びんしょう)性の向上に寄与するだろう」とも説明した。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、「強大国」による攻撃の可能性を念頭に置いていることを明らかにした形だ。 ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/04/2022060480007.html

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