北朝鮮、35分間の弾道ミサイル連発劇…4種類織り交ぜ8発撃った
北朝鮮は5日、わずか35分間に8発の弾道ミサイルを連続で発射した。韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足してから3回目の挑発で、今年だけで18回目の武力示威となる。韓国海軍と米国海軍は今月2-4日に沖縄近海で米原子力空母ロナルド・レーガンと韓国の大型上陸艦「馬羅島」などが参加し4年7カ月ぶりに空母艦隊による連合訓練を行った。北朝鮮による今回のミサイル連続発射はこれに対する反発の性格があるとの見方も出ている。 【写真】6日午前、韓米が発射した戦術地対地ミサイル「ATACMS」/合同参謀本部 今回のミサイル発射について複数の専門家は「これまで懸念してきた『複数ミサイルの同時発射』『連続発射』の能力を実際に示すことで実戦能力を誇示した」「その点で北朝鮮の核とミサイルの脅威は一層高まった」と評価している。韓米両国軍は在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)やパトリオットミサイル(PAC3)、また韓国軍のパトリオットミサイルや韓国製迎撃ミサイル「天弓2」などからなるミサイル防衛網を構築している。しかしこの防衛網は北朝鮮が複数のミサイルや超大型放射砲(多連装ロケット砲)を同時に撃った場合、あるいは連続して撃った場合は全てを迎撃することはできないという。
北朝鮮は2014年にフロッグとみられるロケット弾(射程距離70キロ以上)25発を立て続けに発射し、17年にはスカッドER(最大射程距離1000キロ)4発を連続発射したが、今回のように8発の弾道ミサイルを立て続けに発射するのは前例がない。また4種類の短距離ミサイルを一度に発射するのも今回が初めてだ。韓国軍当局によると、今回は北朝鮮の前方歩兵部隊に配備される射程距離110キロの新型戦術地対地ミサイル、射程距離400キロの「北朝鮮版ATACMS(KN24)」と超大型放射砲(KN25)、射程距離700-800キロの北朝鮮版イスカンデル(KN23)が全て発射されたという。
その範囲も最大高度25キロから90キロまでとかなり広かった。北朝鮮が複数の地域からさまざまなミサイルを異なった高度や飛行方式でほぼ同時に発射した場合、韓米による現在のミサイル防衛網では事実上何もできないとの指摘もある。KN23とKN24、さらに超大型放射砲のKN25は最大飛行高度が25-60キロとかなり低く、飛行の最終段階でプルアップ(急上昇)軌道など迎撃が難しい変速的な軌道を飛ぶ。北朝鮮が低空ミサイル、あるいは通常軌道で高高度を飛ぶミサイルを同時に発射した場合、これが一種の「陽動作戦」となって韓米両国軍の探知・迎撃レーダーをかく乱し、正確に迎撃できる可能性が低くなるとの懸念も浮上している。
韓国大統領室は国家安全保障会議(NSC)常任委員会終了後「北朝鮮が複数の場所からさまざまな形態の弾道ミサイルを連続発射した。これは今の政府の任期が始まった直後の安全保障態勢を試すものであり、挑戦ということで認識が一致した」と表明したが、これも上記の懸念を反映したものと指摘されている。さらにこれら4種類のミサイルのうちKN23やKN24などほとんどは戦術核弾頭の装着が可能とみられており、ミサイルの連続発射が現実となった場合、韓国にとっては非常に深刻な事態となる。クォン・ヨンス元国防大学教授は「北朝鮮が異なった地域で低高度から高高度まで飛行する多種多様なミサイルを一つの目標に向けて一斉に撃つケースが韓国にとって最悪のシナリオだが、これが現実になりそうだ」と指摘した。
韓国軍合同参謀本部は北朝鮮によるミサイルの追加発射に備え、監視と警戒態勢の強化に乗り出している。元仁哲(ウォン・インチョル)合同参謀本部議長と韓米連合軍司令部のラカメラ司令官は北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後に遠隔の会議を行い、北朝鮮によるいかなるミサイル挑発にも直ちに探知・迎撃可能な連合防衛能力と態勢を確認した。韓国軍合同参謀本部が伝えた。合同参謀本部は「最近の北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射は、韓半島はもちろん、国際社会の平和と安定を脅かす深刻な挑発であり、これを強く糾弾すると同時に即刻中止することを厳重に求める」とのコメントを発表した。 ユ・ヨンウォン軍事専門記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/06/2022060680023.html
北朝鮮は2014年にフロッグとみられるロケット弾(射程距離70キロ以上)25発を立て続けに発射し、17年にはスカッドER(最大射程距離1000キロ)4発を連続発射したが、今回のように8発の弾道ミサイルを立て続けに発射するのは前例がない。また4種類の短距離ミサイルを一度に発射するのも今回が初めてだ。韓国軍当局によると、今回は北朝鮮の前方歩兵部隊に配備される射程距離110キロの新型戦術地対地ミサイル、射程距離400キロの「北朝鮮版ATACMS(KN24)」と超大型放射砲(KN25)、射程距離700-800キロの北朝鮮版イスカンデル(KN23)が全て発射されたという。
その範囲も最大高度25キロから90キロまでとかなり広かった。北朝鮮が複数の地域からさまざまなミサイルを異なった高度や飛行方式でほぼ同時に発射した場合、韓米による現在のミサイル防衛網では事実上何もできないとの指摘もある。KN23とKN24、さらに超大型放射砲のKN25は最大飛行高度が25-60キロとかなり低く、飛行の最終段階でプルアップ(急上昇)軌道など迎撃が難しい変速的な軌道を飛ぶ。北朝鮮が低空ミサイル、あるいは通常軌道で高高度を飛ぶミサイルを同時に発射した場合、これが一種の「陽動作戦」となって韓米両国軍の探知・迎撃レーダーをかく乱し、正確に迎撃できる可能性が低くなるとの懸念も浮上している。
韓国大統領室は国家安全保障会議(NSC)常任委員会終了後「北朝鮮が複数の場所からさまざまな形態の弾道ミサイルを連続発射した。これは今の政府の任期が始まった直後の安全保障態勢を試すものであり、挑戦ということで認識が一致した」と表明したが、これも上記の懸念を反映したものと指摘されている。さらにこれら4種類のミサイルのうちKN23やKN24などほとんどは戦術核弾頭の装着が可能とみられており、ミサイルの連続発射が現実となった場合、韓国にとっては非常に深刻な事態となる。クォン・ヨンス元国防大学教授は「北朝鮮が異なった地域で低高度から高高度まで飛行する多種多様なミサイルを一つの目標に向けて一斉に撃つケースが韓国にとって最悪のシナリオだが、これが現実になりそうだ」と指摘した。
韓国軍合同参謀本部は北朝鮮によるミサイルの追加発射に備え、監視と警戒態勢の強化に乗り出している。元仁哲(ウォン・インチョル)合同参謀本部議長と韓米連合軍司令部のラカメラ司令官は北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後に遠隔の会議を行い、北朝鮮によるいかなるミサイル挑発にも直ちに探知・迎撃可能な連合防衛能力と態勢を確認した。韓国軍合同参謀本部が伝えた。合同参謀本部は「最近の北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射は、韓半島はもちろん、国際社会の平和と安定を脅かす深刻な挑発であり、これを強く糾弾すると同時に即刻中止することを厳重に求める」とのコメントを発表した。 ユ・ヨンウォン軍事専門記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/06/2022060680023.html
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