台湾外交部長「中国の怒りを恐れるな」

 「中国があなたに怒りを示しても恐れてはならない。それは正しいことをしている証拠だ」

  台湾外交部の呉ショウ燮部長(外相)は先月30日(現地時間)、イスラエルの日刊紙「エルサレム・ポスト」とのインタビューで「中国に依存し過ぎてはならない」とイスラエル政府に呼び掛けた上で上記のように述べた。

  呉部長はインタビューで「中国がイスラエルの安全保障を危険な状態にすることを許容してはならない」と指摘した。イスラエルは過去に中東戦争で米軍の支援を受けた親米国だが、中国との関係も複雑だ。中国はイスラエルが否定しているパレスチナ政府を承認する一方、イスラエルとも外交関係を結んでいる。2016年にはファーウェイやアリババなどの中国企業がイスラエルのベンチャー企業に165億ドル(約2兆1400億円)を投資した。

  エルサレム・ポストは「今月初めにイスラエル外務省は全世界の外交官に『台湾政府関係者を招待せず、彼ら主催の行事にはできるだけ出席するな』と指示した」と伝えた。ウクライナ戦争で緊張が一層高まる中台関係を考慮し、台湾と親密な関係を築くような動きを示すなと警告したのだ。これに対して台湾外交部長がイスラエル政府に直接「中国に警戒せよ」とのメッセージを送ったと解釈されている。

  呉部長は「中国はロシアによるウクライナ侵攻で得た教訓に基づき、台湾への軍事侵略を準備している」とした上で「(台湾は)これに対処するためカナダ、オーストラリア、日本などとの関係強化に向け努力しており、イスラエルともより良い関係を築きたい」と述べた。

  エルサレム・ポストはこのインタビュー記事を掲載した直後、中国大使館から「記事を削除しなければイスラエルとの関係を格下げするだろう」との圧力を受けた。同紙のヤコブ・カッツ編集長が先月31日にツイッターで明らかにした。台湾外交部は「中国による不当な圧力に屈せず、言論の自由と民主主義の精神を守るエルサレム・ポストに敬意を表する」とコメントした。 キム・ドンヒョン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/03/2022060380034.html

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