【時視各角】2045年に韓日は和解しているだろうか

  数年前、ワシントンは韓国と日本の戦場だった。慰安婦問題をめぐり両国は米国を味方につけるための総力戦を繰り広げた。国のプライドをかけた銃声ない戦争だった。休戦もわずか、第2戦の気運が高まっている。慰安婦合意の取り消し、強制徴用判決、レーダー照射、哨戒機低空威嚇飛行が次々と出てきているからだ。韓国の不当さを訴える日本政府、その日本を非難する韓国政府の神経戦が続いている。米政府関係者は「独島(ドクト、日本名・竹島)と教科書問題で韓日関係はこれ以上悪化することはないどん底と考えた。ところが地下(慰安婦問題)があった。それが本当の底だと考えた。ところがなんと、いつのまにかマグマがぐつぐつと沸き立つところに立っている」と話す。

  「ワシントン第2戦」の状況をあえて言うなら、韓国にそれほど有利でない。第1戦当時、慰安婦問題は未解決懸案であり、我々に道徳的優位があった。オバマ大統領もそれとなく韓国寄りだった。第2戦は様相が違う。ワシントンを説得させる名分と論理が十分でない。我々は強制徴用判決を「司法府の固有権限」という。しかしワシントンは「韓国の事情」とみる。慰安婦問題も同じだ。米国は義理よりも約束を、特殊性よりも普遍性を尊重する。合意は認められないとして破棄も再協議もせず、仲裁委員会や国際司法裁判所にも行かないということに、「ではどうするのか」と首をかしげる。米国を通じた迂回圧力は難しい構造だ。とはいえ、この問題に関心も知識もないトランプ大統領が日本側に立つかは疑問だ。当事国同士が解決しなければいけない理由だ。

  まず正確な現状診断が求められる。我々には日本に対する感情の蓄積、日本には韓国に対する不信の蓄積がある。これまでは「感情の蓄積>不信の蓄積」だった。それでなんとか解決されてきた。「韓日米三角同盟」という戦略的判断で「憎いが味方」という共感が維持された。この構図がこの1、2間に大きく変わった。最初の理由はトランプ大統領の同盟放置、2つ目は日本の不信拡大だ。

  その間、韓国に対する不信は「いつも謝罪を要求して約束を覆す」というものだった。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って「韓国は米国・日本側でなく中国・北朝鮮側」という不信が新たに加わった。友好国を配慮せず北朝鮮との関係改善にオールインすると見ている。以前の不信に比べて広範囲で確信的だ。これによって「感情の蓄積=不信の蓄積」になった。一方が譲歩をしない構図、するのが難しい構図だ。ところが我々はこれを支持率狙い、改憲を意識した挑発と見る。過去の基準だけで見ると状況はこじれる。以前なら軍当局同士で静かに解決されるレーダー照射問題が両国国防長官が操縦士のジャンバーを着て拳を握る戦いになった理由だ。

  解決法は複雑なようで簡単だ。我々は日本に友邦国という信頼を与えなければいけない。疎通を強化して不信を減らさなければいけない。政府ができなければ民間が動かなければいけない。日本はすぐに国際法に言及するクセを直さなければいけない。感性外交を通じて韓国の感情をなだめなければいけない。進行中である構図の変化が固まってしまう前にだ。お互いそれが嫌なら、それができないなら、方法はない。お互い敗者になるだけだ。誰でも分かる。勝者は観覧席で手をたたいて歓迎する北朝鮮と中国になるということは。

  思想家の蓮實重彦元東京大学総長はいつか私に「日韓の真の和解は戦後100年が過ぎてこそくる」という話をしたことがある。当時はまさかと思った。ところが蓮實元総長が述べた2045年が過ぎてもこのまま続くのではと考えたりする今日この頃だ。

  金玄基(キム・ヒョンギ)/ワシントン総局長

中央日報 https://japanese.joins.com/article/698/249698.html

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