「感傷的な対北朝鮮政策は止揚すべき」

 来月末に予告されている2回目の米朝首脳会談を前に、世宗研究所のイ・サンヒョン首席研究員が「韓国政府の作成した非核化に向けたロードマップは楽観的過ぎる」と批判した。

  韓国の政府系シンクタンク・韓国開発研究院(KDI)の『北朝鮮経済レビュー』1月号(30日発行)に掲載された「2019年における米国による対北朝鮮政策と朝米関係の展望」の中で、イ氏は「北朝鮮は制裁の解除など、米国による相応の措置が先に行われるべきとの主張を変えておらず、米国は非核化が先との立場を譲らない。そのため交渉の先行きは今なお不透明だ」と指摘した。その上でイ氏は「このような状況で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による非核化の約束にばかり頼る希望的な考え方は捨てるべきだ」と強く訴えた。

  南北首脳会談以降、金正恩氏の好感度を高めようとする「感傷的な対北朝鮮政策」について、イ氏はこれも「止揚すべきだ」と主張した。イ氏は「韓半島(朝鮮半島)において戦争のリスクが軽減されたのは歓迎すべきだが、非核化の約束については希望を持ちつつも、不信を抱きながら確認する姿勢が必要だ」と指摘した。

  イ氏は「文在寅(ムン・ジェイン)政権における今の態勢は、非核化よりも平和を前面に出しながら韓半島の平和を不可逆的に進展させ、非核化交渉の動力を得る構想と理解できる」とした上で「このような構想は成功すればよいが、非核化が実現しない場合、その厳しい状況はあまりにも耐え難いだろう」とも主張した。

  非核化の見通しが不透明な状況で、南北関係にばかり没頭する現政権の外交安全保障政策についてもイ氏は「見直すべき」と求めた。イ氏は本紙との電話インタビューで「韓米、韓日、韓中関係など外交安全保障における課題が山積しており、とりわけ韓日関係は完全に放置された状態だ」「政府は南北関係にばかり重点を置くのではなく、外交安全保障におけるさまざまな課題についてバランスを取りながら対処すべきだ」と訴えた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/01/31/2019013180031.html

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