【取材日記】日課時間に水墨画の練習をする韓国の公務員

  中央日報が今月22日に報道した「史上最大の公職採用に30代会社員も鷺梁津(ノリャンジン)・新林洞(シルリムドン)にUターンした」という記事に多くの読者が大きな関心を示した。「免許証を更新しに行ったが、7人中6人は雑談している」「一度増やした公務員は減らすことができず、若者世代が負担することになる」というオンラインコメントに数千人が「いいね」をクリックして共感した。

  記者も政府部署の取材を担当しながら読者と似たような経験をしたことがある。昨年年末、検察高位幹部に会いに行った事務室で日程を調整する職員が筆と墨で水墨画を描いていた。午後4時の日課時間に起きたことだ。

  幹部行事用に使われる水墨画を描いていたのかもしれない。ただし他の検察実務職員にその状況を話すと「そこはコネがあってこそ行けるくらいの人気部署」と耳打ちした。頭の中がさらに複雑になった。

  政府は昨年7月、史上最悪の就職統計成績表を手にするとその3カ月後である10月、あたふたと短期公共雇用政策を打ち出した。裁判所と検察も予想できない人材を受け入れなければならなかった。ある検察幹部は食事の席上で「電気の消えた検察庁舎廊下の蛍光灯の点検でもさせなければならないのだろうか」とし「一体どんな仕事を与えたらいいのか分からない」と話した。

  スマートフォンアプリで指一つ使えば日程を便利に管理できる時代だ。日程担当秘書が現場に必要でないにもかかわらず、政府が青年就職統計数値のために無理やり職に押し込む寸劇が続いている。

  渦中に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2022年までに公務員を17万4000人増員するという公約はきちんと履行されている。行政安全部が25日に発表した今年の地方職公務員採用規模は3万3060人で昨年に続き史上最大採用の流れを継続した。

  政府の「太っ腹」採用に司法試験の廃止でスラム街になるところだったソウル屈指の塾街である新林洞が再起し、鷺梁津カップ飯通りは午前4時から準備を始める。高校入試が主力の私教育企業も公務員試験市場に次々と参入し始めている。公務員のうちでも「花の職」と呼ばれる運転職採用方式をやり取りするオンラインコミュニティのコメントには「社内の政治がなく進級が早く本当に人生が安らかになります」という説明がつき、ここに「私が本当に望んでいる職場ですね」というコメントがつくようなおかしくも悲しい状況が演出されている。

  青年採用をなんとかしようという政府の差し迫った気持ちは理解する。だが、中小企業に志願しようとしていた20台、すでに就職している30台の心まで揺さぶる大規模な公務員採用が望ましいかは必ず見極めるべきだ。

  キム・ミンサン/社会チーム記者

中央日報 https://japanese.joins.com/article/671/250671.html

コメント

このブログの人気の投稿

MBNの業務停止効力中断

「19世紀式の自主にかまけた586世代、20?30代の登場が望まれる」

韓国政府の救援隊がラオスに出発 医療スタッフら20人