【コラム】旧韓末に似た世界情勢、文大統領は高宗と同じ道を歩むのか

 世の中がまるで「旧韓末」(大韓帝国期)のようだと言われる。人工知能(AI)競争を取り上げた本紙の記事では、ソウル大ビッグデータ研究センター長が「今は朝鮮時代か」と嘆いた。国外では各国がAIの主導権争いに必死だが、韓国は古いフレームが足かせとなり孤島になりつつあるからだ。産業技術だけではない。国際情勢と大国の対立、貿易・通商から地政学的環境までもが100年余り前の旧韓末を連想させる。帝国主義の列強がわが国の首を締め上げた19世紀末のように、再びどちらの味方につくのか、選択を強要されている。

  緊張する国際情勢よりさらに旧韓末らしいのが、今の韓国と日本のリーダーシップだ。今日本には華やかな過去を夢見る指導者が登場している。日本の安倍晋三首相が明治維新の主役たちをモデルにしたというのはもはや秘密ではない。首相としての安倍首相の動きは伊藤博文に例えられる。韓国にとっては敵だが、日本で伊藤博文は近代化の元勲として慕われている。7年前の訪米時に安倍は「もう日本は『2列目の国』にはならない。私が戻ってきた。日本もまた戻ってくる」と演説した。100年余り前に伊藤博文が帝国主義の膨張を主導したように、安倍も「外に延びゆく日本」に言及した。

  文在寅(ムン・ジェイン)大統領のリーダーシップは安倍とは対照的だ。安倍が国力拡大に取り組む富国強兵論者だとすれば、文大統領は労働重視の分配論者だ。「強い日本(安倍)」と「包容国家(文)」という両者のスローガンほど大きな違いがある。安倍は国際的な影響力拡大、文大統領は国内の公正、平等を優先する。安倍が外を見つめているのに対し、文大統領の視線は内向きだ。外交路線でも現実的な安倍と理想主義者の文大統領は対照的だ。安倍が「トランプのプードル」のように振る舞うのに対し、文大統領は米中の「仲裁者論」を掲げた。米日はこれまでにない蜜月状態だが、韓米同盟がぎくしゃくしたことは、両者のリーダーシップと無関係ではない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/28/2019062880151.html

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