「韓国の自動車労組は毎年スト…トヨタは50年間労使紛糾なし」

 国内の自動車産業が、毎年繰り返される労使の対立を解消するためには、賃金と団体交渉の周期を現行の1-2年から4-5年に延ばすべき、との主張が飛び出した。

  自動車産業協会のキム・ジュンギュ理事は30日、韓国自動車産業協会大会議室で開催された「第6回自動車産業発展フォーラム」で「国内の完成車業界は賃金交渉の周期が1年、団体交渉の周期は2年となっており、毎年労組執行部の闘争手段として悪用されている」として「交渉の周期を4-5年に延ばして運用すれば、労使紛争が毎年発生する可能性は低下するだろう」と述べた。

  キム理事は「国内の自動車企業ではほぼ毎年、労組のストが発生しているが、日本のトヨタはここ50年間で労使紛争が一度もなかった」と述べた。今年、12年ぶりに労使紛争が起きた米国ゼネラルモーターズ(GM)も、スト開始から50日で労使が合意案をめぐって妥結し、協力的な労使関係の伝統を守った。

  キム理事はまた、先進諸国の自動車企業の労使が協力的労使関係を定着させ、危機に対応しているとして、国内の自動車業界も労使が緊密に手を取り合うよう促した。

  キム理事によると、日本のトヨタは1950年代に経営危機に陥った後、労組が1960年代初め、終身雇用制を前提に賃上げの自制など他の条件を譲歩し、円高などさまざまな危機を乗り越えた。ドイツのフォルクスワーゲンも1990年代から2000年代にかけて経営危機に陥ったが、労働の柔軟化と賃金安定で労使が合意し、世界販売1位を維持してきた。

  キム理事は「韓国も、グローバル競争が激化している状況を労使が正確に認識し、競争力を高めるために共に努力しなければならない」として「生産性を反映した賃金体系の構築、団体交渉や賃金交渉の周期の改善などについて、労使がしっかり向き合って話し合う時期だ」と主張した。

  この日の討論では、韓国が労働市場の根深い矛盾と病弊によって、自動車産業が崩壊し、大量失業が発生する危機に追い込まれているとの主張も提起された。

  檀国大のキム・テギ教授は「労使の不信や労働力の低活用、労働市場の二重構造など、現在の韓国が直面しているさまざまな問題の原因は『労働積弊』にある」と診断した。

  キム教授は「5大労働積弊」として▲雇用不安を引き起こし熟練形成を妨害する号俸制賃金体系▲労働の「貧乏はますます貧乏に・金持ちはますます金持ちに」の状況を生み出す労働組合の特権▲成長を阻害する戦闘的労働運動▲労働界の偏向的な労働政治▲労働の現実に逆行する二元的労働政策-を挙げた。

  キム教授は「5種類の積弊が長年にわたり放置され、現在では自動車産業の崩壊と大量失業の可能性が高まっている」と指摘した。

  キム教授は(1)「革新を通じた雇用安定と生産性向上を通じた賃上げ」を可能にするために、市場・未来中心の労働システム革新、(2)労働市場の構造を解決するための社会的責任の強化に向けた、労働界と労働組合の革新、(3)経済主体の利益を調和する労働政治と労働政策の革新-という「3大労働革新」を通じ、問題を解決すべきと主張した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/30/2019103080267.html

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