韓国開発研究院「低物価は庶民の消費減少が原因」…政府と異なる分析

 国策シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)はこのほど、低物価現象について、庶民の消費が後退し、物価が低下したためだとの分析を示した。これは企業が商品を大量に生産する一方、政府が補助金を増やしたために物価が一時的に急落したとする政府の判断とは食い違うもので、デフレの可能性は低いと判断する政府の立場とは異なる点で注目される。 ■64%の品目で物価下落  KDIが28日発表した「最近の物価上昇率低下に対する評価と示唆点」と題する報告書は、「今年の物価上昇率と経済成長率がいずれも低下したのは、供給による衝撃よりも需要による衝撃が主に作用していることを示している」と指摘した。今年1-9月の消費者物価上昇率は0.4%で韓国銀行の物価安定目標である2.0%を大きく下回った。特に先月には物価上昇率がマイナス0.4%となり、1965年の統計開始以来初めてのマイナスを記録した。

  こうした現象を巡り、韓国政府と韓国銀行は「物価上昇率が急激に低下したのは、需要サイドの物価上昇圧力よりも農産物、石油類の価格下落など供給サイドの要因の一時的変動性拡大に起因したものだ」とし、「物価が長期間にわたり広範囲に下落するデフレではない」と線引きした。デフレは商品やサービスの供給が増えても消費が減り続け、結果的に景気が低迷し、物価が低下する日本型の長期不況に陥ることを指す。韓国政府は一時的な商品・サービスの供給拡大でマイナス物価に陥っただけであって、消費減少による大きな影響はなく、デフレとは関係ないとの立場だ。政府はまた、「低物価現象は世界的な金融危機以降、全世界共通で起きている現象だ」とも主張した。

  しかし、KDIは「最近の低物価現象は政府の福祉政策や特定品目が主導したものではなく、多数の品目で物価上昇率が低下したことで表れた」と反論した。今年1-9月の消費者物価上昇率は平均値(0.4%)だけでなく、中央値(0.3%)も低下した。これは物価上昇率が特定品目の極端な値下がりによって低下したわけではないことを示している。KDIの分析によると、今年の物価上昇率が前年を下回った品目の割合は全体の63.7%に達する。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/29/2019102980006.html

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