来年の韓国外交 北朝鮮核・韓日関係・韓米同盟など難題山積
【ソウル聯合ニュース】膠着(こうちゃく)状態が続く非核化を巡る米朝交渉、崖っぷちまで追い込まれたがようやく改善の兆しが見え始めている韓日関係、傷を残した韓米同盟――。2019年末の韓国外交の現状である。韓国は強国に囲まれた地政学的な特殊性のため、複合的な外交問題を抱えているが、来年は難題が山積しており、一層厳しい一年になるとの見方が大勢だ。 喫緊の課題は先行きが不透明な朝鮮半島情勢だ。朝鮮半島の平和プロセスをけん引していた米朝交渉は2月末にベトナム・ハノイで開かれた米朝首脳会談が物別れに終わり、勢いを失った。6月、南北軍事境界線がある板門店で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ米大統領、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の対面が電撃的に実現し、10月にはスウェーデン・ストックホルムで米朝交渉が再開されたが、進展はなかった。 北朝鮮は非核化交渉の期限としている年末が近づき、米国や韓国への非難を続け、軍事的な緊張を高めている。北朝鮮が予告した「新しい道」を巡ってさまざまな観測が出ている中、周辺国との連携を通じて交渉の破綻を防ぐ必要があるとの声が強まっている。 軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了猶予や日本の対韓輸出規制強化の一部見直しで関係改善を模索している対日関係も見通しは明るくない。 今月24日、中国・成都で開かれた韓中日首脳会談に合わせ、文大統領と安倍晋三首相が約1年3カ月ぶりに正式に会談。対話を通じた解決との原則で一致したこと自体に意味があるが、歴史問題を巡る対立が経済や安全保障分野に発展している両国関係は課題が山積みだ。 最大の懸案は強制徴用被害者問題だ。両国の企業と国民の自発的な寄付金で被害者に慰謝料を支給する文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の案が有力な解決策として浮上しているが、両国とも無条件で受け入れることは難しい状況だ。対話が進む中でもGOMIAや輸出規制、旧日本軍の慰安婦問題を巡る合意、東京五輪・パラリンピック競技場への旭日旗の持ち込み、福島原発の汚染水放出問題などが持ち上がる可能性がある。 韓米同盟では交渉が続いている在韓米軍の駐留経費負担を巡る交渉の妥結が急がれる。再選を狙う大統領選で誇示する「実績」が必要なトランプ大統領が譲歩しない限り、両国の摩擦が予想される。日本とのGSOMIAの終了決定に対し、米国が韓国に対して露骨に不満をあらわにし、両国関係に傷がついたことも懸念材料だ。 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備で数年間対立していた中国とは習近平国家主席の来年の訪韓をきっかけに、「限韓令(韓流制限令)」の完全な解除など、関係正常化を図るべきとの声が出ている。 外務部(現外交部)長官を務めた峨山政策研究院理事長の韓昇洲(ハン・スンジュ)氏は来年の国際情勢について、「韓国は周辺国に対し、矛盾するような政策を推進しなければならない」として、「北と平和を維持する一方、米国と日本とは軍事連携で強い抑止力を確保し、米国の核の傘を含む戦略資産を活用しながら中国とも良い関係を維持すべきだ」と述べた。
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/26/2019122680139.html
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