【萬物相】4回目のかん口令

 政界ではしばしば、かん口令が下される。デリケートな懸案について、あれこれ言わずに口を閉ざせというわけだ。人事や政策に関する機密を守るためにもかん口令が敷かれる。非公開の議員総会場で、院内代表が議員たちにかん口令を下す場面をこっそり見る機会があった。意外にも指示は非常に具体的だった。メディアがこんな質問をしてくる可能性があるが、このように答えなさい、と質問例と模範答弁まで提示していた。そして、続けて「われわれがこのような話をしたことも、メディアには絶対に話してはならない」と要請した。

  かつて、ある党代表は、かん口令に背いた議員を「アオジ」(野鳥の一種。口の軽いことの例え)と呼んだ。「べらべらしゃべるな」という警告だった。この警告を伝え聞いた周囲の人たちは「口が封じられるのではなく、初めから凍り付いている感じだった」と話した。権力者は目下の者が話すことを嫌うケースが多い。最も嫌がるのが人事に関する内容を漏らすことだった。内閣改造の内容の一部が新聞で報道されたときには、内定したことを口外した長官(大臣)を変更するというあきれた出来事もあった。

  2004年、第17代国会の最大与党だったヨルリンウリ党は議員らが比較的自由に話すことができた。初当選の108人がそれぞれ自分の主張と信念を自由にアピールし、混乱を引き起こすと、この初当選議員らは「108煩悩」と呼ばれた。我慢ならない先輩議員が「規律を正す」と忠告すると「噛みついてやる」と言った初当選議員もいた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/26/2020062680118.html

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