【萬物相】50歳を過ぎた「若い血」

 日本の新聞の「人」欄に元銀行頭取の90代男性の記事が掲載された。死去を知らせる訃報(ふほう)かと思った。ところが、それは人事異動の記事だった。40年ぶりに銀行取締役から退き、完全に退任するというものだ。2000年代後半のことだ。日本の友人に「これは可能なことなのか」と尋ねた。すると、彼は「うちの会社の社長は80代だよ」と言った。日本経済は1970-80年代が全盛期だった。その主役は、その後の「失われた20年」の間もずっと主役を務めた。

  韓国経済はもっと躍動的だ。解放(日本による植民地支配からの解放=日本の終戦)後、工業化によって産業の主役がはっきりと分かれた。これらと共に高度成長を導いたベビーブーム第1世代は、アジア通貨危機という青天のへきれきで入れ替わった。韓国は、日本とは違って高度成長神話を盾に居座る世代を追い出し、新世代が参入できる十分なスペースを空けておいた。直後に情報技術(IT)産業ブームで1960年代後半-70年代前半生まれが経済の中心になり、今では人工知能(AI)産業ブームと共に1970-80年代生まれが躍進している。日本に比べると活力がある。

  韓国政界で、新世代が声を上げ始めた。野党では、1970年代生まれたちが党の主導権にまで挑んでいる。彼らを「若い血」という。ところが、名前の挙がっている人々を見ると、(国民の力の前身:未来統合党時代に最高委員を務めた)李俊錫(イ・ジュンソク)議員を除けば、キム・ウンヘ議員、キム・ウン議員、尹喜淑(ユン・ヒスク)議員と全員、50代だ。ただ、1970年代生まれの初当選議員に過ぎない。経済界ならば、おそらく「年を取った新入り」と呼ばれるだろう。ベビーブーム第1世代はそれくらいの年齢だったころ、涙を流しながら大勢、退いていった。最も若いという李議員の同年代の中には、10回事業で失敗しながら、数兆ウォン(数千億円)の価値の企業を興した実業家がいる。 ■韓国のデジタル競争力は8位、日本27位、TOP10は?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/05/28/2021052880112.html

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