先端兵器への集中がかえって毒に? 最強米国が戦争に勝てない理由(下)

■米軍の戦死者数に敏感な米国の大衆  これは、およそ5万8000人が戦死し、およそ30万人が負傷したベトナム戦争後に現れた現象だ。ベトナム後、米軍の戦争戦略は「できるだけ戦地の民間人との接触を減らす」方向へと変わった。すると情報の蓄積も減り、現地人の好感を得る機会も減った。また、派兵規模は小さく、撤収の速度は早くなった。米軍の活動は、大部分が後方の基地に制限された。どれも戦争の勝利を妨げる要因だ。

  トランプ大統領は2019年12月、米軍と契約している業者の民間人1人がイラクで殺害されると、非常にエキサイトした。20年1月にイランのパスダラン(革命防衛隊)のスレイマニ司令官が暗殺されると、多くの米国の若者は「イランとの戦争が迫り、徴兵制が再び実施されるかもしれない」と懸念した。

  ラックマン教授は「戦死者の数にこれほど敏感な状況では、バイデン大統領がイランと戦争しようと思っても、ドローンやミサイルでの攻撃、高高度からの爆撃のほか、さしたるオプションはない」と語った。その上イランは人口・軍事力・面積の点で03年のイラクとは比べ物にならない大国だ。超大国たる米国の現実が、イラクのようにイランにも物理的に侵攻して勝利を宣言することを極めて困難にしているのだ。 ■「戦後復興で米国人だけがカネもうけ」…現地人が反感  戦地の住民らは、21世紀に入って、自分たちの国で米国政府が「略奪的な新自由主義」を敷くと考えている。イラクの中央省庁や米軍の主要施設、大使館などが密集するバグダッドの「グリーンゾーン」を構築し、大もうけしたのは米国の建設業者だった。イラクの現地人は除外された。米軍は信頼に値する現地人ネットワークを構築できず、憤怒した現地人は反乱軍支援に回った。戦争の成功に必要な、戦地の好感を得るべきなのに、それに失敗した。ブッシュ・ジュニア政権のネオコン(新自由主義者)が起こしたイラク戦争で、米国人はイラクの大規模油田をコントロールできた。イラク人は、「ゼロサムゲーム」のように米国人に富が移動したと考えた。 ■「2021年世界の軍事力ランキング」米国1位、韓国6位、日本?

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/08/24/2021082480104.html

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