北朝鮮が新型極超音速ミサイル「火星8」試射 金正恩氏は立ち会わず
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、国防科学院が前日に北西部の慈江道竜林郡で、新型極超音速ミサイル「火星8」の発射実験を初めて行ったと伝えた。 中央通信は「初めて導入したアンプル化されたミサイル燃料系統と発動機(エンジン)の安定性を実証した」と説明。また、「ミサイルの飛行操縦性と安全性、分離された極超音速滑空飛行前頭部(弾頭)の誘導機動性と滑空飛行の特性をはじめとする技術的指標を実証した」とし、これらがすべて「設計上の要求を満足させた」と伝えた。 この発射実験は朴正天(パク・ジョンチョン)朝鮮労働党書記と国防科学部門の指導幹部が視察した。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は立ち会わなかった。 朴氏は極超音速ミサイル開発と実戦配備の戦略的重要性と、あらゆるミサイル燃料系統のアンプルアンプル化が持つ軍事的な意義を強調した。 アンプル化とは、液体燃料を容器に入れ、発射するたびにはめ込む方式を指すとみられる。従来は液体燃料を注入する方式のため注入に時間を要するが、アンプル化することで固体燃料のように迅速、かつ常時発射が可能になる。韓国の21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ情報分析官は「運用面で固体燃料とほぼ差がない」と説明した。 極超音速の滑空体は、ミサイル防衛網を無力化して局面を一変させる次世代の「ゲームチェンジャー」とされる。弾道ミサイルなどに搭載して発射され、高度30~70キロで分離した後、成層圏でコースを変えて滑降する。マッハ5以上の速度で進みコース変更も可能なため、迎撃が極めて難しい。 北朝鮮は極超音速ミサイルの発射を予告していた。今年1月に開催した第8回朝鮮労働党大会で金正恩氏は事業総括報告を行い、「極超音速滑空飛行前頭部の開発導入」に言及した。 ただ、金正恩氏は今回の発射実験を視察しなかった。北朝鮮は今年6回ミサイルを発射したことが分かっているが、同氏はいずれも立ち会わなかった。これは新兵器がまだ実験・開発段階にとどまっているためと考えられる。 中央通信もこの日の報道で射程や速度などに触れていない。開発の完了ではないことがうかがえる。 一方、韓国軍当局は前日に北朝鮮から発射された飛翔体について、飛行距離200キロ足らず、高度30キロ程度とみているようだ。
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/09/29/2021092980044.html
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