21世紀の日本には「三種の神器」がある(下)

■アナログ日本、なぜ?  経済規模で世界第3位の先進国・日本で、なぜこんなことが起きるのだろうか。イ・チャンミン教授は「まず日本人自身が、こうした状況は問題だと認識すらできなかったことが問題」と指摘した。一部の官僚や専門家がデジタル改革の必要性を指摘してきたが、相当数の国民は、なぜファクスを使うのが問題なのか、深刻さを認識できなかったという。「日本人は閉鎖的で、内需市場に安住してガラパゴス化しており、専門家が指摘をしてもちゃんと受け入れようとしない傾向がある。『われわれは先進国』というプライドが非常に強いが、コロナ問題が起こり、世界がQRコードで認識して素早く在宅勤務体制に適応するのを見て、初めて世界との『デジタル格差』を実感するようになった」というのがイ・チャンミン教授の分析だ。 【グラフ】世界デジタル競争力ランキング  超高齢化社会の硬直性も原因に挙げられる。NHKは8月2日、「どうして超ハイテクな日本人がFAXに執着するんだい?」という記事を伝えた。家庭用ファクスを担当するパナソニックの関係者は「私たちがファクスの販売をやめてしまうと、困ってしまう方が出てきてしまいます」とし「スマホを使っていない方が、手紙でのやりとりの代わりに必要とされているケースが多いんです」「孫からのファクスの手紙を大事に取っておいて、何度も見返しているという声も聞いています」と語った。この記事で、西山雅喜さん(71)は「スマートフォンやパソコンを使えない友達がいて、そうした人たちに、集まりや催しの案内を送る際、(ファクスが)便利」「年齢を重ねるほど、新しいものを使い始めるのが難しくなる」と語った。 ■「最大の原因は停滞している経済」  専門家らは「何より、日本経済が停滞していることが根本的な理由」と語る。ホン・チュンウクEARリサーチ代表は「1990年代のバブル崩壊後、アナログからデジタルに転換する時期に、日本政府は景気浮揚策として巨大なトンネルや橋の建設プロジェクトに資金を注ぎ込み、デジタル関連インフラには神経を使う余力も関心もなかった」とし、さらに「日本市場そのものが新たな会社の進入や創意、規制改革に弱い。人口は1億2000万人いても、スタートアップ企業(ベンチャー企業)やユニコーン企業(企業評価額の高い未上場のベンチャー企業)は韓国よりはるかに少ない」と語った。

  イ・チャンミン教授も「レガシー・システム(老朽化した古いシステム)が極めて強固なのが問題」と指摘し「日本は1980年代末から90年代初めごろ、経済的に頂点を極めた。その時登場した『先端機器』がファクス。問題は、既存のシステムをばらして新たなインフラを敷いてこそ成長を継続できるのに、頂点で適応した状態でシステムが固まってしまったこと」と語った。

  ファクスを代替する何かを掲げて参入する企業もなく、革新なしに文化そのものが停滞している、というわけだ。米国内の日本人留学生の数が昨年、国別ランキングでトップ10圏外に下がったことも、こうした現象を示している。専門家らは「頭の良い学生は海外に出ていかず、日本国内で安住する。社会全体が強化された悪循環に陥っている」と指摘した。 許允僖(ホ・ユンヒ)記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/26/2021112680126.html

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