「庶民の味方」5000ウォンのクッパは消え、フライドチキンは2万ウォン時代に突入

 11月19日午後にソウル市鍾路区楽園洞のテジ(豚肉)クッパ通りを取材した。ある食堂の壁に貼られたメニューを見ると、豚肉クッパの価格は5000ウォン(約480円)から6000ウォン(約580円)に書き換えられていた。この路地の食堂はどこも先月から価格を全て1000ウォン(約96円)値上げした。1本3000ウォン(約290円)ほどだった焼酎も4000ウォン(約390円)になった。近くのタプコル公園にやって来る高齢者やタクシー運転手、節約志向のサラリーマンが気軽に食事できることで有名だったが、今後5000ウォンではクッパも食べられなくなったのだ。 【表】韓国フランチャイズ業界で値上げラッシュ  この場所で7年にわたり食堂を経営しているある店主は「肉から野菜まで食材が全て一気に値上がりした。その上人件費も上がった」「客も『この程度なら長く続けた』と言ってくれる」と話してくれた。この店主はさらに「豚の頭の卸価格は3カ月前まで一つ7500ウォン(約720円)だったが、最近1万500ウォン(約1010円)に跳ね上がり、エゴマ、にんにく、唐辛子などの材料価格もひどい場合は2倍になった」と嘆いた。この店は人件費を節約するため従業員は2-3人しか雇わず、忙しいときだけ近くの派遣会社を通じて当日アルバイトを雇っている。しかし今月1日からアルバイトの賃金も週末5時間働いて5万5000ウォン(約5300円)から6万ウォン(約5800円)に上がったという。

  物価の上昇は庶民が利用する低価格の食堂にまでその影響が及んでいる。原材料価格が急激に上昇し、これに最低賃金引き上げによる負担まで重なり、安いメニューで勝負していた店も次々と価格を引き上げている。財布の事情が苦しい庶民にとっては1回の食事も大変だ。あるタクシー運転手の男性(59)は「これまで7000ウォン(約670円)だったドライバー食堂が最近はどこも8000-9000ウォン(約770-880円)はする」「稼ぎはそのままだが支出ばかりが増えるので大変だ」と嘆いた。 ■5000ウォンのクッパも6000ウォンのピザも消えた  全国に586の加盟店を持つピザのフランチャイズ「ピザスクール」は今月から全商品の価格を1000ウォン(約96円)値上げした。1万ウォン(約960円)以下の中低価格が主力商品だが、今回の値上げで最も安いチーズピザが6000ウォンから7000ウォンになった。ピザスクールは「原材料、人件費、店の賃貸料が上がり続けているので、残念だが値上げするしかない」とコメントした。

  粉もの料理の価格も値上げラッシュが続いている。全国に200以上の店舗を持つフランチャイズの「ヤムセムキムパプ」も先月末から一部メニューを値上げした。ラーメンは3500ウォン(約340円)から4000ウォン(約390円)に、トッポギは4000ウォンから4500ウォン(約430円)に上がった。統計庁の資料によると1年前に比べてキムパプは4.8%、ラーメンは3.9%、トッポギは3.5%価格が上昇しているという。

  自営業者のネット掲示板で最も大きい「つらいから社長だ」には値上げするかどうか悩む書き込みがあふれている。「9年にわたり定食を6000ウォンで出しているが、今後は7000ウォンに値上げするしかない」「9000ウォンのクッパを1万ウォンで売るわけにはいかない。おかずの値段だけでも上げねばならない」などだ。値上げを客にどうやって伝えるかも店主たちの悩みの種だ。 ■「国民の夜食」フライドチキンも2万ウォン時代に  「国民の夜食」と言われるフライドチキンも例外ではない。チキン・フランチャイズで業界1位のキョチョンチキンは今月22日から値上げに踏み切った。2014年に一部メニューの価格を上げて以来7年ぶりだ。キョチョン・オリジナルとハニー・オリジナルが1万5000ウォン(約1450円)から1万6000ウォン(約1540円)に、レッドウイングとハニーコンボは1万8000ウォン(約1730円)から2万ウォン(約1930円)にそれぞれ値上げした。キョチョンチキンは「数年にわたり続いてきた人件費上昇、さまざまな手数料負担に加えて最近は社会全体の物価上昇で加盟店の収益性改善が大きな課題になっている」とコメントした。

  それ以外のチキン店は「今すぐ値上げする計画はない」としているが、業界1位が値上げに踏み切ったことで今後追随する動きが出る可能性も高い。キョチョンチキンは2018年から配達費として2000ウォン(約190円)を受け取っているが、今後はほかの多くの店も配達費の導入に踏み切りそうだ。

  チキンのように配達需要が旺盛な飲食店は原材料価格と人件費だけでなく配達の費用も大きな負担だ。配達アプリの「配達民族」と「クーパンイーツ」が攻撃的な手数料戦略で配達担当の人員を吸収したが、影響でそれ以外の配達代行業者も人材募集のため配達料金の値上げに踏み切っている。この経費がそのまま店の商品価格に転嫁されているのだ。 ソン・ユジン記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/26/2021112680131.html

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