職級の年限を撤廃したサムスン電子、個人成果給を初導入した現代自動車
サムスン電子は29日、社員の「職級据え置き期間」を全面的に廃止し、若い社員のスピード出世を可能にする人事制度見直し案を発表した。職位と年功序列を重視してきたこれまでの人事制度を完全に撤廃し、能力さえあれば、30代の役員や40代の最高経営責任者(CEO)の誕生を可能にする狙いだ。副社長と専務の職階は副社長として統合し、会社に貢献する優秀な社員は定年以降も継続勤務できる「シニアトラック」制度も導入する。同社は「有能な若い人材を抜てきし、急激に変化する国際競争に攻撃的に対応するためのプラン」と説明した。 【グラフィック】「2021年世界革新指数」韓国1位、米国11位、日本は? 安定的な雇用と処遇、ピラミッド型の組織構造で成長してきた韓国の大企業が先を争うように体質改善に乗り出している。役員の職級を単純化したり、一気に撤廃したりして水平的な文化を導入。成果による報奨体系を強化し、社員の動機づけを図る企業が相次いでいる。現代自動車は先月、高い成果を上げた事務・研究職の幹部社員を選抜し、500万ウォン(約48万円)の特別報奨金を支給する「タレントリワード」制度を導入した。労使交渉を通じ、全社員に均等に成果給を分配する企業文化を変える狙いだ。現代重工業グループは昨年から順次、技術・事務職の部長、次長、課長の職階を責任エンジニア、責任マネジャーへとそれぞれ統合した。SKハイニックスも社員、上級、責任、首席に分かれていた技術事務職の社員の呼称をTL(技術リーダー、才能リーダー)に統一した。職級という概念自体が消えつつある格好だ。
大企業のこうした変化はこれまでの組織構造や文化ではますます激しくなるグローバル競争をリードできないという判断が背景にある。企業が導入する職級破壊、徹底した成果主義は現在世界のテクノロジー業界をリードするシリコンバレーでは一種の不文律だ。グーグル、フェイスブック、アマゾンなどには役員を除く社員に職級という概念が元々存在しない。また、勤続年数や経歴よりは徹底して現在の成果、未来の可能性に基づきインセンティブを与える成果主義を採用している。韓国科学技術院(KAIST)経営学部のチョ・デゴン教授は「シリコンバレーでは入社1-2年次の社員も中間段階を飛ばし、最上位の役員クラスに自分のアイデアを提案したり、報告したりできる。意思決定が速いだけでなく、誰のアイデアなのか明確なので、成果報奨もはっきりしている」と指摘した。
こうした人事・報奨システムはシリコンバレー式の成長をベンチマークした韓国のIT企業が先行導入した。ネイバー、カカオなどのIT大企業とゲーム企業は数年前から30-40代のCEOを抜てきし、インセンティブも成果中心へと思い切って改革している。ネイバーには1980年代生まれの役員が14人おり、人工知能(AI)の開発を統括するチョン・ミンヨン責任リーダーは34歳だ。次期CEOに内定している崔秀ヨン(チェ・スヨン)グローバル事業支援部責任リーダーも40代前半だ。カカオも今年4月、AI研究子会社のカカオブレーンの代表に1988年生まれのキム・イルドゥ氏を抜てきした。IT業界関係者は「成功したゲーム開発に加わった幹部社員がCEOよりも多額の年俸とストックオプションを受け取ることが珍しくないほど、IT・ゲーム業界では成果主義が定着している」と話した。
ただ、急激な組織文化の変化に伴う後遺症や反発も少なくない。徹底した成果優先人事、インセンティブ制度を導入したネイバー、カカオ、ゲーム企業には相次いで労組が結成された。労組は社員の業務ストレスが高まり、差別が蔓延したと不満を訴えている。サムスン電子労組も人事制度見直し案について、「無限競争と不公正な文化を強める人事制度改悪案の導入に反対する」と表明した。 パク・コンヒョン記者 金康漢(キム・ガンハン)記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/30/2021113080004.html
大企業のこうした変化はこれまでの組織構造や文化ではますます激しくなるグローバル競争をリードできないという判断が背景にある。企業が導入する職級破壊、徹底した成果主義は現在世界のテクノロジー業界をリードするシリコンバレーでは一種の不文律だ。グーグル、フェイスブック、アマゾンなどには役員を除く社員に職級という概念が元々存在しない。また、勤続年数や経歴よりは徹底して現在の成果、未来の可能性に基づきインセンティブを与える成果主義を採用している。韓国科学技術院(KAIST)経営学部のチョ・デゴン教授は「シリコンバレーでは入社1-2年次の社員も中間段階を飛ばし、最上位の役員クラスに自分のアイデアを提案したり、報告したりできる。意思決定が速いだけでなく、誰のアイデアなのか明確なので、成果報奨もはっきりしている」と指摘した。
こうした人事・報奨システムはシリコンバレー式の成長をベンチマークした韓国のIT企業が先行導入した。ネイバー、カカオなどのIT大企業とゲーム企業は数年前から30-40代のCEOを抜てきし、インセンティブも成果中心へと思い切って改革している。ネイバーには1980年代生まれの役員が14人おり、人工知能(AI)の開発を統括するチョン・ミンヨン責任リーダーは34歳だ。次期CEOに内定している崔秀ヨン(チェ・スヨン)グローバル事業支援部責任リーダーも40代前半だ。カカオも今年4月、AI研究子会社のカカオブレーンの代表に1988年生まれのキム・イルドゥ氏を抜てきした。IT業界関係者は「成功したゲーム開発に加わった幹部社員がCEOよりも多額の年俸とストックオプションを受け取ることが珍しくないほど、IT・ゲーム業界では成果主義が定着している」と話した。
ただ、急激な組織文化の変化に伴う後遺症や反発も少なくない。徹底した成果優先人事、インセンティブ制度を導入したネイバー、カカオ、ゲーム企業には相次いで労組が結成された。労組は社員の業務ストレスが高まり、差別が蔓延したと不満を訴えている。サムスン電子労組も人事制度見直し案について、「無限競争と不公正な文化を強める人事制度改悪案の導入に反対する」と表明した。 パク・コンヒョン記者 金康漢(キム・ガンハン)記者
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/11/30/2021113080004.html
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