韓国有権者のイデオロギー分布、5年続いた進歩優位が崩壊…最多は中道34%

 第20代大統領選挙を控えた韓国の有権者は中道層が最も多く、保守層と進歩(革新)層では保守層が増加傾向にあることがわかった。韓国ギャラップが12月に実施した週間世論調査を統合した月別の集計(標本3002人)によると、回答者の主観的なイデオロギー分布は中道34%、保守28%、進歩23%、わからない・無回答15%という結果となった。「あなたの政治的な考えはどれに該当すると思うか」との質問に回答者がこのように答えたのだ。 【グラフ】韓国有権者の年齢別イデオロギー分布  韓国ギャラップが毎月発表している有権者の政治イデオロギー調査によると、2016年のはじめまでは保守層(31%)の方が進歩層(25%)よりも多数派だった。ところが16年末の弾劾政局後の17年はじめには進歩層(37%)が保守層(27%)を上回りはじめた。その後17年5月の大統領選挙では進歩層(37%)が中道層(27%)と保守層(23%)よりも多い「進歩優位」へと有権者の傾向が変わった。韓国与党・共に民主党が圧勝した昨年4月の総選挙でも有権者分布は進歩層33%、中道層26%、保守層25%だった。

  韓国ギャラップの月別の資料では今年1月時点でも進歩層(28%)が保守層(25%)を上回っていた。しかし4月7日にソウルと釜山で行われた再選挙・補欠選挙直後の5月には有権者の傾向が変わり始めた。5月の調査では保守層(27%)が進歩層(26%)を上回り、最近は保守層の増加と進歩層の減少がより明確になっている。中道層も1月31%、5月32%、12月34%と増加傾向にあり、保守層と進歩層よりも多くなったことがわかった。来年3月9日の大統領選挙を前に有権者の傾向が変わり、中道層の投票先が鍵を握るようになったようだ。

  韓国ギャラップのホ・ジンジェ理事は「来年3月の大統領選挙は過去の大統領選挙や総選挙などとは違って『中道優位』の傾向で行われる可能性が高まった」「中道層の攻略がすなわち来年の大統領選挙における勝敗の鍵になるだろう」と予想した。ホ理事はさらに「特定の政派に偏らない中道層は『イデオロギー投票』よりも自らの生活に関係した『利益投票』を行う傾向がある」とも説明した。

  ただし中道層の投票傾向がどちらに傾くかは「現時点ではわからない」というのが専門家の共通した見方だ。マトリックスのチョ・イルサン代表は「かなりの調査で中道層は政権交代への期待が60%ほどに達しているが、野党候補の支持率はこれにはるかに及んでいない」「中道層は選挙終盤まで候補者が掲げる公約や政策を見極めて慎重に選択するだろう」との見方を示した。

  一方で韓国ギャラップが回答者の政治的傾向を年齢別に整理した2021年の年間統合資料(標本4万7000人)では、大統領選挙の「キャスティングボート」として注目を集める50代が大きく変化していた。全ての年齢層の中で保守が進歩を上回りはじめる分岐点が昨年の57歳から今年は55歳に下がったのだ。54歳は進歩(32%)の方が保守(24%)よりも多かったが、55歳からは保守(29%)が進歩(25%)を上回った。

  政党支持率も同じような流れにある。54歳(民主党42%、国民の力30%)までは与党支持率の方が高かったが、55歳(国民の力33%、民主党32%)からは野党支持率の方が高くなった。世論調査の専門家は「かつて386世代だった今の50代は年齢を重ねても保守化せず進歩性向が残る『脱保守化』の傾向が強かったが、進歩を標榜した現政権に対する失望が影響して最近はその傾向が変わっているようだ」と説明した。 洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者兼データジャーナリズム・チーム長

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/12/31/2021123180041.html

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