北京冬季五輪:オランダでスケート、ドイツでそりの自慢しちゃダメ

各種目の最強国、17日間にわたる激闘の結果を振り返る

  今回の北京冬季五輪で、ドイツはそり種目だけで9個(リュージュ4・スケルトン2・ボブスレー3)の金メダルを手にした。これまで金メダルがなかったスケルトンで2つの金メダルを獲得、「そり種目最強国」という評価をいっそう確固たるものにした。ドイツがそり種目で金メダルを取れなかったのはボブスレーのモノボブ(1人乗り、米国が金メダル)だけだった。ドイツがそり種目で世界最高の競争力を持つようになった背景には、皮肉にも分断の歴史がある。1968年に西ドイツが初めて人工コースを建設すると、東ドイツも1983年にアルテンベルクに競技場を建て、その後も双方が軍備競争でもするかのように競技場を建てていった。このため、ドイツは現在、国際規格のスライディングセンターが4つと、世界で最も多い。1960年代からは政府を挙げてそり制作技術にも集中投資してきた。競技場の規模や装備の性能が競技力を大きく左右するそり種目でドイツが独走しているのにはこうした理由があるのだ。 【図】北京冬季五輪の種目別強国  20日に閉幕した北京五輪でも、特定の国が特定の種目でメダルを量産したり、強みを見せたりする現象がはっきりと現れていた。冬季スポーツは高価な装備と競技場が必要なため、夏季種目と比べると選手育成費用が多くかかる。このため、国ごとに「選択と集中」することで特定の種目を集中的に育成することになる。雪上競技の場合は気候が絶対的に重要なため、北欧・北米諸国にメダルが集まらざるを得ない。どの種目も参入の障壁が高く、特定国が長年にわたり強みを見せるのだ。

  ノルウェーはクロスカントリーの本場だ。雪がたくさん降り、丘が多いため、日常生活でも車よりスキーの方を頻繁に利用する。ノルウェー国民の間では「ノルウェー人はスキーを履いて生まれる」という言葉があるほどだ。これまでのクロスカントリーのメダル数は508個だが、ノルウェーはそのうち121個(24%)を手にしている。冬季五輪個人最多メダル記録(マリット・ビョルゲン、15個)もノルウェーのクロスカントリーから出た

  一方、氷上ではオランダが数十年間にわたり王座を守っている。今大会を含め、冬季五輪スピードスケートの歴代のメダル(607個)のうち22%(133個)をオランダの選手たちがさらっていった。オランダは山がほとんどなく、冬になると川や運河が凍り、国中がスケート場に変わる。そのため全国民がスケートを楽しむようになり、自然とスケートの「DNA」を持つようになったのだ。オランダの人口は1700万人だが、スピードスケート登録選手だけで15万人に達する。プロチームが8つ、実業団チームの数も700を超える。長さ400メートルの長距離コースを備えたスケート場が20カ所あり、米国(6カ所)より多い。国際大会が開かれる所にはいつも例外なくオランダを象徴するオレンジ色の服を着た応援団がいるほど、熱心なファンも多い。

  北米と欧州の一人舞台状態にあるウィンタースポーツの壁を崩した国もある。日本はスキージャンプ強国だ。1998年の長野五輪を招致して以降、集中育成したスキージャンプで頭角を表わしている。すそ野が広く、適切な気候が日本のスキージャンプを育てた。日本最北端の北海道は冬の平均気温が常に氷点下となる。札幌周辺には五輪規格のラージヒル(110メートル以上)のジャンプ台だけで2カ所あり、ノーマルヒルやミディアムヒルなどのジャンプ台も20カ所を上回る。

  オランダがスピードスケート強国ならば、韓国はショートトラックの盟主だ。韓国は最近こそ中国・カナダに激しく追い上げられているが、それでも今大会で最も多い5つのメダル(金2・銀3)を獲得した。ショートトラックが五輪正式種目となった1992年アルベールビル五輪から今回の北京五輪まで最も多くの金メダル(26個、全体の40%)を取っている。選手層が厚くなり、国際試合の経験を積み重なることで、さまざまな滑走方法やゴールの技術などを生み出した。ハードな練習で知られる柔道やレスリングのコーチがショートトラック韓国代表チームの練習をベンチマーキングするほど練習量が多い。韓国の競技力の高さに、各国では韓国人指導者招致に力を入れているほか、「ショートトラック留学」のため韓国に来る選手もいる。 崔仁準(チェ・インジュン)記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/02/23/2022022380024.html

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