米国は発射確認1時間後に新たな対北制裁、日本は戦闘機で追跡(下)

 英国のシンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」のジョセフ・デンプシー研究員(国防・軍事分析担当)は「北朝鮮が移動式発射車両(TEL)からICBMを直に発射したのは今回が初めて」と語った。以前の火星14型や火星15型は、数台しかない貴重な中国製TELが破損しないように発射台を分離して撃ったが、今回は発射台からそのまま撃ったという。これは、北朝鮮が独自のTEL開発に成功し、十分な数のTELを備えるに至ったか、ICBMの性能に自信がつき、発射の瞬間に爆発してTELがだめになる恐れが減ったことを意味するといえる。

  今回の状況を受け、25日(韓国時間で26日早朝)に北朝鮮問題を話し合うため国連安保理の会議が開かれたが、北朝鮮を強く圧迫する追加制裁決議の導出は難いという見方が出ている。ウッドロー・ウィルソン・センターのスミ・テリー韓国担当ディレクター(韓国史および公共政策)は24日、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に載った「北朝鮮の核の機会主義(North Korea's Nuclear Opportunism)」という寄稿記事で「米国やその他の国々の気が散っていることが分かるので、ウクライナ戦争は北朝鮮に、トラブルを引き起こす完ぺきな機会を与えている」と記した。実際、北朝鮮によるICBM発射直後、ベルギーのブリュッセルで相次いで開かれた北大西洋条約機構(NATO)特別首脳会議、G7首脳会議、欧州連合(EU)首脳会議は、いずれもロシアのウクライナ侵攻に関連する懸念にフォーカスしていた。バイデン大統領がブリュッセルで開催した記者会見でも、北朝鮮に関する質問は一切出なかった。

  スミ・テリー氏は「ロシアはウクライナ侵攻を巡って西側と対立を起こし、中国の習近平主席は経済問題とロシアが起こした戦争の政治的波紋につかまっている」とし、「こうした流れから見ると、ロシアと中国は国連安保理で追加の北朝鮮制裁に同意しそうにない。実際、両国は既に北朝鮮制裁の履行を手抜きしている」と指摘した。 ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員、東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/03/26/2022032680029.html

コメント

このブログの人気の投稿

MBNの業務停止効力中断

「19世紀式の自主にかまけた586世代、20?30代の登場が望まれる」

韓国政府の救援隊がラオスに出発 医療スタッフら20人