韓日政策協議団に会った岸田首相「両国関係改善待ったなし」

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が日本に派遣した韓日政策協議代表団が26日、東京都内の首相官邸で岸田文雄首相に会い、両国間で崩れてしまった信頼関係を回復するため共同で努力することにした。岸田首相は鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長をはじめとする韓国代表団に「ルールに基づく国際秩序が脅かされている今の国際情勢の中で、日韓、さらには日米韓の戦略的な連携が今ほど必要な時はない」「両国関係の改善は待ったなしである」と述べたと日本の外務省が明らかにした。岸田首相はまた、「1965年の国交正常化以来築いてきた両国の友好協力関係の基盤に基づき、両国関係を発展させていく必要があり、そのためには旧朝鮮半島(韓半島)出身労働者(徴用工)問題をはじめとする両国間の懸案の解決が必要だ」とも述べたとのことだ。  代表団長の鄭副議長は面談後、「岸田首相に『金大中(キム・デジュン)・小渕精神』(1998年に当時の金大中大統領と小渕恵三首相が発表した韓日共同宣言の精神)を受け継いで発展させ、韓国の新政権とともに新たなスタートラインに立ち、韓日信頼回復と人的交流の拡大を推進しようと要請した」「岸田首相も前向きに共感を示した」と語った。

  鄭副議長によると、この日の面談では、両国が新型コロナウイルス感染症の流行で中断されている金浦空港・羽田空港間の航空路線をできるだけ早く再開する案を推進することにしたという。韓国側は韓日国民間のビザなし(査証免除)入国許可制度の復活、韓国人の日本入国時における隔離免除措置も要請した。駐日韓国大使館の高官は「金浦・羽田路線再開は以前から十分協議を進めてきただけに、近いうちに可能になるだろう」と語った。徴用被害者や慰安婦問題についても両国は共に解決策を探ることにした。北朝鮮の挑発に関しては韓日間、韓米日間の戦略的協力が非常に重要であることでも認識を共にした。

  さらに、韓日政策協議団は日本の政財界の要人に相次いで面会し、新政権の対日政策に関する話を交わしている。同日の岸田首相との面談後は森喜朗元首相と経済団体「経済団体連合会(経団連)」の十倉雅和会長(住友化学会長)に会った。また、非公開で日本の外交・安保政策の司令塔である秋葉剛男国家安全保障局(NSS)局長とも面談した。秋葉氏は外務事務次官として最長期間在職し、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提案した外交・安保の中核人物として知られている。

  前日の25日には、林芳正外相、萩生田光一経済産業相、岸信夫防衛相に会い、訪日4日目の27日には安倍晋三元首相らに会う予定だ。政策協議団のある人物は「日本の姿勢は以前よりいっそう柔軟になった」「強制徴用被害者問題についても、以前と同じならば『韓国側が解決策を先に提示せよ』と圧力を加えるところだが、岸田首相は共に努力しようという立場だった」と言った。一部では、岸田首相が来月10日に行われる尹次期大統領の大統領就任式に自ら出席するか、あるいは安倍元首相や菅義偉前首相らを出席させる可能性があるという話も出ている。

  しかし、日本の政界の一部では依然として「韓国を完全に信頼することはできない」という雰囲気も感じられる。岸田氏は外相を務めていた時代に当時首相だった安倍氏を説得して韓国との慰安婦問題を合意・妥結に導いたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が合意無効を主張して困難な状況に陥った経験があるからだ。読売新聞は「自民党内では佐藤正久外交部会長が言ったように『過度な前のめりは間違ったメッセージになる』という意見が根強い」と報道した。 ソン・ホチョル記者、東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/27/2022042780007.html

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