「協力会社だけに任せてはおけない」…原材料の「直接購入」に乗り出す完成車業界

 ニッケル、リチウム、コバルトなど電気自動車(EV)のバッテリーに不可欠な素材の価格が高騰していることを受け、完成車業界が素材の直接購入に乗り出した。EVへの転換が加速していることで原材料の確保競争が激しくなり、バッテリー関連の協力会社に調達を依存する従来の購入方式では素材の安定購入が困難になっているからだ。米ゼネラルモーターズ(GM)やフォード、日本のトヨタをはじめ、現代自グループも素材確保のために総力戦を繰り広げる見通しだ。

  現代自は主要な原材料を戦略的に管理するために専門の組織を立ち上げるとともに、原材料価格の変動が収益に及ぼす影響を自動で算出するシステムを構築したと明らかにした。現代自のソ・ガンヒョン財経本部長(副社長)は25日、業績発表の電話会議で「原材料の供給網管理(SCM)リスクの拡大に対応するために、全社的な協議体を新設した」とした上でこのように述べた。

  現代自は協議体を通じ、設計から価格引き上げに至るまで全社的かつ有機的な対応体系を構築するとともに、購入に関しては外部の専門機関や関連企業との協業も進めている。また、バッテリー素材を直接確保する一方で、金融商品などを活用して世界的な素材価格高騰に対するリスクヘッジを行うことも検討中だ。

  GM、トヨタ、フォルクスワーゲンなど、世界的な完成車メーカーも素材確保のためにさまざまな方法を模索している。必要な素材を直接購入したり、海外の鉱山の株式を確保して長期的な投資に乗り出したりしている。バッテリーメーカーや部品メーカーよりも交渉力の高い完成車メーカーが直接購入に乗り出せば、取引価格を下げられる可能性があり、EVの生産コストも管理しやすくなるという判断が働いているのだ。

  GMは最近、スイスの鉱山開発企業グレンコアPLCとの間で、オーストラリアにある鉱山からバッテリーの材料となるコバルトの供給を受ける契約を結んだと発表した。具体的な契約規模は公表されていないが、GMは今年発表したシボレーブランドのピックアップトラック「シルバラード」EVとGMCブランドの「ハマーEV」に使われる自社開発バッテリーに、このコバルトを使う計画だ。グレンコアはすでに、テスラやBMWともコバルト供給契約を結んでいる。米フォードはオーストラリアの鉱物企業レイクリソースとの間で、アルゼンチンで生産されるリチウムを購入するという事前契約を締結した。

  トヨタは日本政府の支援を受け、海外の資源企業への投資を拡大している。鉱山の株式を取得するという形で安定的な素材購入ルートの確保に乗り出したわけだ。独フォルクスワーゲンは、陽極材で世界1位のベルギー企業ユミコアと合弁会社を設立することを決めた。EVメーカー・テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は最近「リチウムの価格が常軌を逸した水準」だと述べ「リチウム価格が落ち着かなければ採掘・精製に直接参入せざるを得なくなるかもしれない」と素材事業に参入する可能性を示唆した。 ヨン・ソンオク記者

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/26/2022042680231.html

コメント

このブログの人気の投稿

MBNの業務停止効力中断

「19世紀式の自主にかまけた586世代、20?30代の登場が望まれる」

韓国政府の救援隊がラオスに出発 医療スタッフら20人