韓国芸術家福祉財団、報告書をねつ造した芸術家200人の賃金を未払い
韓国芸術家福祉財団が、「芸術家派遣支援事業」にこのほど参加した芸術家約200人の1カ月分の賃金2億4000万ウォン(約2400万円)を支払っていないことから、騒動となっている。同財団は2011年、脚本家チェ・ゴウンさんが生活苦により死去したのを受けて、芸術家福祉増進のため文化体育観光部(省に相当)傘下で設立された。だが、このような大規模な未払い事態は、同事業が開始された14年以降で初めてだ。 財団側は賃金支給日だった24日、芸術家たちに「7月の活動報告書を確認した結果、一部に問題が見つかり、約40社の企業・機関の芸術家約200人の活動費を支給できなくなった」という書簡を発送した。未払いの理由は、いわゆる「活動証明写真ねつ造」だ。この事業は、企業・機関に文学・美術・音楽をはじめとする各分野の芸術家約1000人を派遣し、芸術プログラム企画・実行を支援することで毎月「10日・30時間以上」の活動条件を満たした芸術家が「活動証明写真」などを添付した活動報告書を財団に提出すれば、5-6カ月間にわたり月120万ウォン(約12万円)を支給するものだ。この条件を満たすには、一日3時間ずつで10日間活動しなければならないが、一日にまとめて活動した後、数日にわたって活動したかのように服装などを変えて活動証明写真を撮影・提出するなど事例が摘発されたというのだ。 しかし、芸術家たちは「規定に違反したのは確かだが、その条件自体が行政の便宜主義的な発想だ」と反発している。30時間以上働いていたとしても、「10日」という活動条件を満たせなければ賃金支払い対象から除外されることに疑問を呈する声が寄せられていたが、聞き入れられないためだ。今回の事業に参加した詩人イさん(34)は「芸術活動は連続性が強いので、月に50時間以上働いても10日を満たせないケースも生じる。それなのに、証明写真ばかり一生懸命に撮影し、それらしい内容を書いて提出すれば、まじめな活動として認められる盲点を財団が自ら作っている。現場性が重要な事業を文書1つで評価しようとする怠惰こそ根絶しなければならない不公正な慣行だ」と批判した。低所得者が多いため、今回の未払いで打撃が大きい芸術家同士の連帯や公論化の動きも出ている。しかし、財団関係者は「芸術家約1000人が参加する事業なので、個人の事情を1つ1つ見ることはできない。福祉基